30代、毎日氷を食べていた——氷食症が気づいたら治っていた話

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今年の5月、ふと気がついたことがあります。

暑い日が続いているのに、飲み物に氷を入れていない。

夏になれば当たり前のようにやっていたことが、いつの間にかなくなっていた。

大したことのない話のように聞こえるかもしれません。でも私にとって、これはかなり大きな変化でした。30代のあのころを知っている人なら、きっとそう思ってもらえると思います。

30代の私は、夏も冬も氷を食べていた

氷が「好き」というレベルの話ではありませんでした。

飲み物に入った氷は必ず全部食べる。コンビニで氷を買って袋のまま職場に持ち込む。製氷機の氷を皿に出して、仕事をしながらぽりぽりとかじり続ける。夏だけではなく、冬も。むしろ冬のほうが、無意識に氷を求めていた気がします。

「なんでそんなに食べるの」と家族に言われても、「おいしいから」としか答えられませんでした。自分でも、なぜそんなに食べたくなるのかよくわかっていなかった。

お腹が空いているわけでもない。喉が渇いているわけでもない。でも手が勝手に動いて、氷に向かっていく。

今思えば異常だったのですが、当時は「自分の癖」だと思っていました。周りにそういう人がいなかっただけで、世の中にはそういう人もいるんだろう、くらいの感覚でした。

氷食症という言葉を知ったのは、かなり後のことだった

婦人科で子宮腺筋症の診断を受けて、しばらくたったころのことです。

先生に「氷をよく食べたくなることはありますか?」と聞かれました。

あります、と答えると、「パゴファジアっていって、氷食症というんですよ。鉄が不足するとなりやすいって言われています」と教えてもらいました。

帰ってから少し調べてみると、確かに「氷食症は鉄欠乏性貧血と関係がある場合がある」という情報が出てきました。なぜ鉄が不足すると氷を食べたくなるのか、メカニズムはまだ完全には解明されていないようです。ただ、口の中を冷やすことで脳への血流が増し、貧血による倦怠感を一時的に補うのではないかという仮説があるらしい、ということは書いてありました。

「だからか」と思いました。

30代の健診で、経過観察や要検査が続いていたことがありました。でも毎日の生活の中では、自分が「貧血状態にある」という実感はほとんどなかった。ただ、なんとなくずっと疲れていて、なんとなくずっと氷が食べたかった。

子宮腺筋症と、毎月の「血が足りなくなる」問題

子宮腺筋症になると、月経量が増えることがあります。私の場合、10年以上にわたってかなりの出血量が続いていました。

毎月それだけの血を失っていれば、鉄が少しずつ不足していってもおかしくなかったのだと、今は思います。でも「生理ってこういうものだ」と思い込んでいたから、ずっとそれが異常だとは気づかなかった。

月経過多を放置し続けた10年間のことは、別の記事に書きました。子宮腺筋症と診断された日のことは、こちらに書いています。あのころの自分が「氷食症」という言葉を知っていたら、もう少し早く婦人科に行けていたかもしれない、と今は思います。

フリウェルを飲み始めたこと、そしてその後

子宮腺筋症の治療として、婦人科でフリウェル(低用量ピル)を処方してもらいました。今から2年ほど前のことです。

このとき、私は「氷食症を治したい」と思って飲み始めたわけではありませんでした。月経量を減らして体への負担を軽くしたい、それが最初の目的でした。

低用量ピルを飲み始めたときのことは別の記事に書いています。血圧のことや飲み続けることへの不安など、実際に飲んでみてわかったことも含めて記録しています。

飲み始めてからしばらくは、氷のことは特に意識していませんでした。月経量が少しずつ落ち着いてきた、体が楽になってきた、という変化はありました。でも氷を食べる習慣が、すぐになくなったわけではありませんでした。

2026年の5月、気づいたら氷を入れていなかった

この5月、暑さが早くから厳しい日が続いています。

例年なら、飲み物に氷を入れるのが当たり前になる季節です。でも今年は、気がついたらやっていなかった。

「最近氷食べてないな」と気づいたのは、ある夜、お茶を飲もうとしたときのことでした。製氷機のそばを通り過ぎながら、何も手が伸びなかった。去年の夏は確実にかじっていたのに。

急に治ったとか、劇的に変わったとか、そういう感覚ではありません。気がついたら「食べなくなっていた」という、静かな変化でした。

氷だけでなく、冷たいものを全般的に求めなくなってきた感覚もあります。

フリウェルを飲み始めて月経量が落ち着いてきたことで、毎月失っていた鉄の量が減り、2年という時間をかけて少しずつ体内の鉄が戻ってきたのかもしれない——私はそう感じています。先生に確認したわけでも、血液検査で体の鉄の状態を調べたわけでもないので、あくまで私の感覚の話です。年齢的な変化もあるかもしれない、とも思っています。

ただ、「だいぶ功を奏してきた」という実感は、確かにあります。

ピルを飲み続けて2年でわかったことは、こちらの記事にも書きました。

同じ経験をしているあなたへ

私は医療の専門家ではないので、「氷食症にはこれが効く」とお伝えできる立場にありません。

ただ、私にとって氷食症は「ただの癖」ではありませんでした。体が何かを訴えていたサインだったと、今は思っています。そしてそれに気づいたのは、かなり後になってからでした。

もし「なぜかやたら氷を食べたくなる」「季節に関係なく氷が欲しくなる」という経験があるなら、一度婦人科か内科で血液検査を受けてみることを考えてみてください。私の場合は婦人科に行ったことがきっかけでしたが、まず自分の体の状態を数値で知ることが、遠回りのようで一番の近道だったと思っています。

婦人科へのハードルが高いと感じている方には、オンライン診療という選択肢もあります。私自身も最初は婦人科に行くまでにずいぶん時間がかかりました。もし同じように迷っているなら、一度調べてみてください。

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この記事は個人の体験をもとにした情報提供です。私の場合の経緯であり、すべての方に当てはまるものではありません。症状が気になる場合は、婦人科または内科への受診をお勧めします。

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