本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を代替するものではありません。症状が気になる方は婦人科・産婦人科への受診をお勧めします。
「生理痛がひどい」「経血の量が多すぎる」——そう感じながらも、「みんなこんなものかな」と10年以上やり過ごしてきた方はいませんか。
私もそうでした。発達障害の息子の子育てに追われて、自分の体のサインを見て見ぬふりをしていた時間がありました。そしてある日、診断された病名が「子宮腺筋症」と「子宮内膜症」。
この2つの病気、名前は似ているけれど、実は別のものです。
この記事では、診断されて初めて、自分なりに調べたことを言葉にまとめました。「自分に何が起きているのか」が少しでも見えてくることを目指して書いています。
子宮腺筋症とはどんな病気か
子宮の内側には、毎月の生理に合わせて厚くなり・剥がれ落ちる「子宮内膜」という組織があります。
子宮腺筋症は、この内膜の組織が子宮の筋肉の中に入り込んでしまう病気です。
子宮は月経のたびに収縮しますが、筋肉の中に迷い込んだ内膜も同じように反応し、出血・炎症を繰り返します。それが「激しい月経痛」や「経血量の増加」につながります。
また、この病気が進むと子宮全体が大きく腫れることがあります。「お腹が張る感じ」「下腹部の重さ」を感じる方は、このためかもしれません。
主な症状:
- 強い月経痛(年々悪化することが多い)
- 過多月経(経血量が著しく多い、レバー状の塊が出る)
- 慢性的な骨盤の重だるさ
- 子宮の腫大による下腹部の張り感
- 不妊(妊娠しにくくなる場合がある)
子宮内膜症とはどんな病気か
子宮内膜症——名前だけ聞くと「子宮の内側の膜に起こる炎症」のようなイメージがありますが、実はそうではないんです。私も診断を受けるまで、ずっとそう思っていました。
子宮内膜症は、内膜に似た組織が子宮の外側に生じる病気です。
卵巣・腹膜・腸管・膀胱——子宮の外のさまざまな場所に内膜に似た組織ができ、月経のたびに出血を繰り返します。その出血が行き場を失い、周囲の組織と癒着しながら炎症を起こし続けます。
卵巣内に血液が溜まって袋状になったものは「チョコレート嚢胞」と呼ばれ、婦人科検診で発見されることもあります。
主な症状:
- 強い月経痛
- 排便時・性交時の痛み(病変の場所による)
- 慢性骨盤痛
- 不妊(卵管や卵巣への影響による)
2つの病気の違いと、なぜ一緒に診断されることがあるのか
| 子宮腺筋症 | 子宮内膜症 | |
|---|---|---|
| 内膜組織がある場所 | 子宮の筋肉の中 | 子宮の外側 |
| 特徴的な症状 | 子宮の腫大・過多月経 | 排便痛・性交痛 |
| 共通する症状 | 月経痛・不妊・骨盤痛 | 月経痛・不妊・骨盤痛 |
2つは別の病気ですが、どちらも「子宮内膜に似た組織が、本来ない場所で増えていく」という点は共通しています。このため、同じ方が両方を併発するケースも珍しくないと言われています。
私自身も、この両方を同時に診断されました。「そういうことだったのか」と、10年分の生理痛がやっと説明された気持ちになったことを覚えています。
こんな症状があったら、婦人科へ
「自分も当てはまるかも」という方のために、受診を検討するサインをまとめました。
以下の項目が当てはまる場合は、婦人科への相談をお勧めします。
- 月経痛が年々強くなっている
- 鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない
- 経血にレバー状の塊が混じる
- 生理中・前後に排便時の痛みがある
- 慢性的な骨盤の重だるさがある
「生理痛は体質だから仕方ない」と思って長年やり過ごしてきた方も多いのですが、強い月経痛は普通ではありません。痛みが生活に支障をきたすレベルなら、受診の理由として十分です。
診断されたら:治療の選択肢
ホルモン療法
低用量ピル・黄体ホルモン製剤・GnRHアゴニストなどを使い、月経を一時的に止めたり、内膜の活動を抑えることで症状のコントロールを目指すようです。
「ピルで完治する」というわけではありませんが、症状が和らぎ、生活の質が改善される場合があります。副作用については、必ず担当医に確認してください。
忙しい毎日の中で、自分の体を少しでも楽にしてあげることは、あなた自身へのいちばんの優しさだと思います。
まずは婦人科で相談を。対面での受診が難しい場合は、オンライン婦人科診療も選択肢のひとつです。記事末尾にオンラインクリニックのご案内もあります。
手術療法
病巣の切除・腹腔鏡手術・重症の場合は子宮全摘など。症状の程度や妊娠希望の有無によって、医師と相談しながら方針を決めていくようです。
これらの疾患は、卵巣や卵管に影響を与えることがあります。妊娠を希望されている方は特に、早めに婦人科に相談することをお勧めします。私自身も、妊娠を希望するなら治療前に相談をと言われた経験があります。
経過観察
症状が比較的軽い場合や、閉経が近い場合は、定期的な検査で様子を見ることもあるようです。
私が10年放置して、診断されるまでの話
息子が生まれてから、私の生活はずっと子育て中心でした。それだけで十分すぎるくらい大変で、自分の体のことを考える余裕なんてなかった。息子の発達障害がわかってからは、なおさらでした。
でも今思えば、あの10年は、治療を始められた10年でもありました。
私が診断されるまでの経緯は、この記事に書いています。
→ 月経過多を10年放置した結果——子宮内膜症・腺筋症と診断されるまでの話
まとめ:「あのとき受診していれば」と思わないために
自分の体のことを後回しにしてきたお母さんへ——
あなたの痛みは、我慢すべきものではありません。
「まず話を聞いてみるだけ」でいい。婦人科の扉は、そんな気持ちで開けていいんです。
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処方の可否は、診察時の医師の判断によります。まずは相談してみることから始めてみてください。
その後ピルを飲み続けた2年間の記録は、こちらです。
→ 子宮腺筋症とピル、2年間飲み続けてわかったこと——正常には戻らなくても、これが今の「いい状態」だと言われた話


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