低用量ピルを飲み始めた話——フリウェルと血圧と、私が続けていること

はじめに

婦人科で「低用量ピルを試してみますか」と言われた日のことを、今でも覚えている。

月経過多を10年放置して、ようやく受診して、ようやく診断名をもらって。次は治療、という段階で「ピル」という言葉が出てきた。

正直なところ、怖かった。ピルってなんとなく若い人が飲むもの、というイメージがあった。39歳で、肥満で、血圧がちょっと高めで——「私が飲んでいいの?」という疑問が頭をぐるぐるした。

この記事は、そういう不安を抱えながらピルを飲み始めた私の話です。治療の正解を教える記事ではありません。でも「同じ気持ちの人に、少しだけ届けばいい」と思って書いています。

フリウェルを処方された

診断がついてから、主治医に治療の選択肢を説明してもらった。手術、ホルモン治療、経過観察——いくつかある中で、私の状態には「まず低用量ピルから」という判断だった。

処方されたのはフリウェルというピルだった。

子宮内膜症や月経困難症の治療目的では保険が適用される。毎日同じ時間に飲む。それだけ聞くと単純なことのようだけれど、「毎日ホルモンを体に入れる」ということへの漠然とした不安は、飲み始めてしばらく消えなかった。

余談だが、このとき主治医に「40歳からは当院では処方しない方針だ」と言われた。血栓リスクが年齢とともに上がるためだと説明してくれた。つまり、ギリギリのタイミングだった。

あのとき受診を先延ばしにしていたら、この選択肢はなかった。「早く動いてよかった」と、後から何度も思った。

それでも続けた。続けるうちに、生理のたびに寝込んでいた日が、少しずつ変わっていった。痛みが和らいできた。「治った」というより「コントロールできるようになってきた」という感覚だった。

血圧のことが、引っかかりはじめた

もともと、病院で血圧を測ると高く出ることが多かった。

妊娠中の定期健診から続いていた傾向で、薬局の血圧計では正常値なのに、診察の流れで測ると数値が上がる。当時は「病院だと緊張するから」と思っていて、あまり深刻に受け止めていなかった。

(後から調べて「白衣高血圧」という言葉を知った。医療機関での緊張で一時的に血圧が上がる状態のことで、珍しいことではないらしい。ただ、白衣高血圧に当たる場合でも、将来的に高血圧に移行しやすいというデータがあるそうで、「気にしなくていい」とも言い切れないようだった。)

フリウェルを飲み始めてから、血圧が上がってきた気がした。

薬の影響なのか、体重の影響なのか、自分では判断できなかった。ピルにはエストロゲンという成分が含まれていて、血圧に影響することがある——ということも、調べてはじめて知った。肥満も血圧を上げる要因になる。どちらが原因かというより、重なっていたのかもしれない。

主治医に言われた一言

次の診察で、主治医にそのことを伝えた。

「アリッサへの変更を検討した方がいいかもしれない」

アリッサは、フリウェルとは成分の種類が違うピルだ。ドロスピレノンというプロゲスチンが含まれていて、血圧への影響が出にくいという特性があると説明してくれた。エストロゲンの量もフリウェルより少ない。

「かもしれない」という言い方だった。すぐ変えるわけではなく、次の検診まで様子を見る、ということだった。

主治医は無愛想な先生だ。余計なことを言わない。でもこういう場面で、ちゃんと先に動いてくれる。私はこの先生のそういうところを、信頼している。

子どものことを調べていたら、自分のことが見えてきた

「次の検診までに何かできることはないか」と考えて、食生活を見直し始めた。

きっかけは、息子のことを調べていたことだった。体重を学校から指摘されていた息子の食生活を改善しようとして、栄養や血糖値についていろいろ読んでいた。そのとき目に入ったのが、「40代以上の4人に1人が糖尿予備軍」という数字だった。

人事じゃない、と思った。

今すぐ大きく変えることは難しい。でも「後回しにするよりできる何か」として、血糖値スパイクを抑える食事を意識し始めた。甘いものを減らす。食べすぎない。白米を雑穀に少し置き換える。それだけのことだった。

体重は変わらなかった。でも次の検診で、主治医は言った。

「今回の血圧なら大丈夫だね」

その一言が、思いのほかうれしかった。

今も、フリウェルを飲み続けている

飲み始めてから1年10か月。フリウェルを変更することなく、今も継続中だ。

ただ、今後の血圧次第ではアリッサに変更する可能性はある、と言われている。そして45歳以降はジュノゲストという薬に移行する予定だとも。ジュノゲストはエストロゲンを含まない黄体ホルモン単剤で、内膜症・腺筋症の治療に用いられる薬だ。血栓リスクが低い一方、不正出血が続くことがある点は医師から聞いておいた方がいい、と言われている。

治療は、始めたら終わりじゃない。

自分の体の状態が変われば、薬も変わる。主治医と相談しながら、そのつど調整していくものなのだと、少しずつわかってきた。

正直に言うと、ピルを飲んでいることを誰かに話したことはほとんどない。ピルというだけで「避妊」と思われることが多いから。でも私にとってはれっきとした婦人科治療で、保険も使える。そのことを、もっと多くの人が知っていてもいいと思っている。

同じ気持ちの方へ

「肥満でもピルは飲めるの?」「血圧が高めだけど大丈夫?」

そういう不安を持って検索している方に、一つだけ伝えるとしたら——婦人科で、正直に話してみてください。

肥満も、血圧のことも、全部話す。先生が判断してくれる。私の場合はそうやって、自分に合った治療の形が少しずつ見えてきた。

子宮内膜症・腺筋症がどんな病気か気になる方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

この記事は医療の推奨ではありません。同じ状況でも、体の状態によって適した治療は違います。気になることは、ぜひ婦人科の先生に相談してみてください。

ピルを飲み続けた2年間の変化については、こちらに書いています。
→ 子宮腺筋症とピル、2年間飲み続けてわかったこと——正常には戻らなくても、これが今の「いい状態」だと言われた話


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