「次回までに、どちらにするか考えてきてください」
婦人科でそう言われた日、家に帰ってスマホで検索した。フリウェル、アリッサ、ジェノゲスト——名前は知っていても、何がどう違うのか、よくわからなかった。
同じような気持ちの方に向けて、私が調べたこと・考えたこと・最終的にどうなったかを書いておく。
そもそも、どんな薬があるの?
子宮腺筋症・子宮筋腫の薬物療法には、大きく2種類あります。
LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)
エストロゲンとプロゲスチンの2種類のホルモンを含む薬。フリウェルとアリッサがこれにあたります。月経困難症の治療として保険適用されています。
プロゲスチン単剤
エストロゲンを含まず、プロゲスチンのみの薬。ジェノゲストがこれにあたります。
この「エストロゲンが入っているかどうか」が、3つの薬を分ける大きな分岐点です。
フリウェルとアリッサ——何が違う?
どちらもLEPですが、含まれる成分が異なります。
| 項目 | フリウェル | アリッサ |
|---|---|---|
| エストロゲン成分 | 合成型(エチニルエストラジオール) | 天然型(エストラジオール) |
| プロゲスチン成分 | ノルエチステロン | ジエノゲスト |
| 服用方法 | 21日服用・7日休薬 | 28日連続服用(休薬なし) |
| 血栓リスク | 標準的 | 天然型エストロゲンのため相対的に低いとされる |
| 薬価 | 基準 | フリウェルより少し高め |
アリッサに含まれる天然型エストロゲンは、合成型より血栓リスクが低い可能性があるとされています。「安全」と断言できるわけではありませんが、リスクが気になる方には選択肢になり得ます。50歳まで処方する婦人科もあると聞きました。
ただし、子宮腺筋症・筋腫への効果の出方は2剤で異なる可能性があります。この点は個人差が大きく、どちらが合うかは医師と相談して決める領域です。私自身、「どちらにするか考えてきて」と言われた時、この部分が一番よくわからなかった箇所でした。
ジェノゲストは何が違う?
ジェノゲストはエストロゲンを含まないプロゲスチン単剤です。LEPとは性質が大きく異なります。
最大の特徴:生理が止まる
ジェノゲストを服用すると、多くの場合で無月経になります。これをメリットと感じるか、デメリットと感じるかは人によります。
毎月の出血がつらい方には大きな救いになります。一方、「生理がなくなること」に抵抗を感じる方もいます。私は後者でした。QOLを重視してくれる主治医は「45歳までは生理がある状態を勧めます」と言いました。
腺筋症・筋腫への縮小効果が期待できる
ジェノゲストは子宮内膜への作用が強く、腺筋症・筋腫の縮小効果が期待できるとされています。症状が重い場合に選ばれることが多い薬です。
血栓リスクはLEPより低い
エストロゲンを含まないため、血栓リスクはLEPより低いとされています。
注意点
服用初期に不正出血が起きやすいこと、長期服用で骨密度が低下するリスクがあることは知っておく必要があります。特に服用開始から数ヶ月は不正出血が起きやすく、それが理由で服用をやめてしまう方もいるようです。
私の診療計画書では「45歳以降はジェノゲストへ変更」と書かれています。LEPが使いにくくなる年齢以降の選択肢として位置づけられているようです。
私が「考えてきて」と言われた時のこと
医師から変更を打診された時、正直どちらがいいかわかりませんでした。
アリッサは血栓リスクが相対的に低い。でも腺筋症・筋腫への効果がフリウェルとどう違うのかが、自分では判断できなかった。ジェノゲストは腺筋症・筋腫への縮小効果が期待できるけれど、生理が止まることへの抵抗があった。
調べれば調べるほど、「自分で決めることではない」という気持ちが強くなりました。
次の受診では、血圧がコントロールできていたことが確認されました。「では今のままフリウェルを続けましょう」——そう言われた時、少しほっとしました。自分で納得して選んだわけではなく、体が「今はこれ」と答えを出してくれた、という感覚でした。
どれを選ぶかは医師と一緒に決めること
3つの薬を比べてみると、それぞれに特徴があり、どれが「正解」かは人によって違います。
- 血栓リスクが気になる → アリッサを検討する価値がある
- 月経をなくしたい・症状を強く抑えたい → ジェノゲストが選択肢になる
- 今の状態を維持しながら様子を見たい → フリウェルを続ける
ただし、この判断は自分だけでしないでください。年齢・BMI・血圧・腺筋症や筋腫の状態——これらを総合して判断するのは医師の仕事です。
「この薬とこの薬、どう違うんですか?」と聞くことは、患者の権利です。私のように「次回までに考えてきて」と言われた時は、ぜひ今回の比較表を持って受診してみてください。
まとめ:3つの薬の違い一覧
| 項目 | フリウェル | アリッサ | ジェノゲスト |
|---|---|---|---|
| 種類 | LEP | LEP | プロゲスチン単剤 |
| エストロゲン | あり(合成型) | あり(天然型) | なし |
| 服用方法 | 21日服用・7日休薬 | 28日連続 | 毎日連続 |
| 生理 | あり | あり | 止まることが多い |
| 血栓リスク ※ | △ 標準 | ○ やや低め | ◎ 最も低い |
| 薬価の目安 ※ | ¥ 低め | ¥¥ 中程度 | ¥¥¥ 高め |
| 私の治療計画 | 現在服用中 | 変更候補として検討した | 45歳以降に切り替え予定 |
※フリウェルを基準とした相対的な比較です。個人差・処方内容により異なります。
本記事は情報提供を目的としています。薬の選択は必ず担当医とご相談の上で決めてください。
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