受給者証のこと、療育手帳と精神手帳のこと、診断書と意見書のこと——このブログでは、申請にまつわる「書類と制度」をいくつも書いてきました。
でも振り返ってみると、「お金」の話を正面から調べたのは、ずいぶん後になってからでした。
誰かが教えてくれるものだと、どこかで思っていたのかもしれません。実際には、役所の窓口で自分から聞かなければ、案内されないままのものがいくつもありました。この記事は、発達障害のある子の親が使える可能性のある手当・助成・控除を、私が調べた範囲で一覧にしたものです。
制度の内容・金額は年度や自治体によって変わります。この記事は概要をつかむためのもので、最新の正確な情報は必ずお住まいの市区町村でご確認ください。
特別児童扶養手当——まず、この名前を知ってほしい
国の手当です。20歳未満の、中度から重度の障害のある子を育てている保護者が対象になります。
「手帳の等級」とは別の判定でした
私が調べていて意外だったのはここです。特別児童扶養手当には1級・2級という等級がありますが、これは療育手帳や精神手帳の等級とは別の、手当独自の判定だそうです。
つまり、「手帳の等級が軽いから対象外」と自分で決めてしまう必要はなく、逆に「診断があれば必ず受けられる」というものでもありません。所定の様式の診断書をもとに審査される、と理解しておくのが正確なようです。手帳を持っていなくても、診断書で申請できる場合があります。
所得制限と金額のこと
所得制限があります。また金額は年度ごとに改定されるため、ここでは「月に数万円規模の手当」とだけ書いておきます。具体的な金額と所得制限の基準は、市区町村の窓口かお住まいの自治体のサイトで最新のものを確認してみてください。
申請の流れ
窓口は市区町村の児童福祉・障害福祉の担当課です。所定様式の診断書が必要になるため、主治医がいる場合は記載をお願いすることになります。診断書まわりの基礎知識は、「診断書」と「意見書」は別物でしたにまとめてあります。
障害児福祉手当——もう一つの国の手当
特別児童扶養手当より重度の、常時介護が必要な状態の子が対象の手当です。特別児童扶養手当と併せて受給できる場合があります。対象になるかどうかの判断はやはり診断書ベースなので、「うちは違うだろう」と思っても、窓口で聞くだけ聞いてみる価値はあると思います。
自治体独自の手当・助成——「しおり」をもらってください
ここが一番、自分から動かないと出てこない部分でした。
自治体によっては、国の手当とは別に独自の手当や助成(名称も金額もバラバラです)を設けていることがあります。調べ方として一番確実だったのは、障害福祉の窓口で「障害福祉のしおり(手引き)をください」と言うことです。多くの自治体が、使える制度を一冊にまとめた冊子を用意しています。
医療費の助成——通院が続くなら知っておきたい
- 自立支援医療(精神通院医療):発達障害での定期通院にかかる医療費の自己負担が軽くなる制度です。通院や服薬が続いているお子さんは対象になる場合があります
- 子ども医療費助成:障害の有無に関わらない、自治体の子ども医療費の助成。対象年齢が自治体で違います
どちらも窓口は市区町村です。「うちの通院は対象になりますか」と、そのまま聞いて大丈夫です。
税金の障害者控除——手帳があれば、年末調整で
療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っている場合、保護者の所得税・住民税で障害者控除の対象になります。年末調整の用紙に記入するか、確定申告で申請します。
手当と違って「申請窓口に行く」ものではないので、見落としやすい項目だと感じました。手帳を取得した年から対象になり得るので、手帳が手元に来たら思い出してみてください。手帳のことをこれから調べる方は、精神手帳の「診断書」のことと「受給者証」と「療育手帳」は別物でしたが入口になると思います。
手帳で受けられる割引のこと
手帳には、手当とは別に「割引」の側面もあります。公共交通機関の運賃、携帯電話の料金プラン、公共施設の入場料など。内容は手帳の種類と自治体・事業者によって違うので、これも「しおり」が手がかりになります。
20歳から先のお金——障害年金のことは、別の記事に
この記事で扱った手当は、いずれも20歳未満が対象です。20歳から先には障害年金という別の制度があり、受給の条件や「20歳前傷病」の考え方は、発達障害のある子が使える就労支援制度の中で書いています。あらかじめ知っておいて損のない内容だと思います。
まとめ——申請した月の、翌月分から
最後に、私が調べた中で一番「早く知りたかった」と思ったことを書きます。
こうした手当の多くは、申請した月の翌月分からの支給です。つまり、知らなかった期間の分を、後からさかのぼって受け取ることは原則できません。
「うちが対象かどうかわからない」——それで構わないのだと思います。対象かどうかを判定するのは窓口と審査であって、親の側で先回りして諦める必要はありません。まずは市区町村の障害福祉の窓口で、しおりを一冊もらうところから。私はそこから始めればよかったと、今は思っています。


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