療育に通えない時の選択肢——行き渋り・空き待ち・地方在住の子への支援まとめ

「受給者証はある。でも、子どもが行けない。」

そう思いながら、今日も家で途方に暮れているあなたに、この記事を書いています。

施設に通えない理由は、一つじゃありません。行き渋り、感覚過敏、空きがない、地方で事業所自体がない——どの理由も、あなたの努力が足りないせいじゃない。

この記事では、施設に「通えない」状況ごとに使える支援と、最初の一歩の踏み出し方を整理します。

施設に「通えない」には、それぞれの理由がある

療育の場に繋がれない理由は、大きく分けると四つあります。

① 子どもが行き渋り・感覚過敏で施設に行けない

知らない場所、知らない人、予測できないスケジュール。発達障害のある子にとって、これは想像以上の負荷です。「行こう」と言うたびにパニックになる、玄関で固まってしまう——そういうお子さんが、療育の現場にはたくさんいます。二次障害が出てきた子や、不登校気味の子も同じ状況に陥りやすい。

「施設に行けないのに、どうして療育を受けられるの」という問いは、当然の問いです。

② 受給者証はあるが、近くに空きがある事業所がない

都市部でも、人気の療育施設は半年から一年待ちは普通です。地方では、そもそも事業所が数えるほどしかない地域もあります。「受給者証を取ったのに、使う場所がない」という状況は珍しくありません。

③ 医療的ケアや重い障害があり、外出自体が難しい

常に医療機器が必要な子、体調が不安定で外出できない子。施設へ「通う」という前提自体が成り立たない場合もあります。

④ 送迎できない、経済的な理由など保護者側の事情

車がない、仕事の都合、きょうだいの送迎と重なる。子どもが行ける状態でも、保護者が連れて行けない状況も現実にあります。

どの状況も、あなたが怠けているわけでも、子育てを諦めているわけでもありません。

在宅・訪問でできる支援

施設に行けない場合、「こちら側に来てもらう」という選択肢があります。

居宅訪問型児童発達支援(就学前のお子さん向け)

重症心身障害や医療的ケアなど、外出が著しく困難な就学前の障害児を対象に、支援員が自宅に来て療育を行う制度です。

就学前のお子さん向けの制度です。小学生以降は対象外となるため、注意が必要です。また、この制度を実施している事業所はまだ少なく、地域によっては「制度はあるが使えない」という現実があります。

訪問看護・リハビリ職の訪問

言語聴覚士(ST)や作業療法士(OT)、理学療法士(PT)が自宅に来て、個別にリハビリや支援を行うケースもあります。医師の指示書が必要になりますが、医療保険や障害福祉サービスを通じて利用できる場合があります。主治医や相談支援専門員(後述します)に確認してみてください。

保健師の家庭訪問

市区町村の保健師が自宅に来て、子どもの様子を確認したり、使える支援について情報を整理してくれたりします。「どこに相談したらいいかわからない」という段階から相談できる窓口です。

オンラインで受けられる支援

ここ数年で、オンラインの療育サービスが増えてきました。

民間のオンライン療育サービス

言語訓練、コミュニケーション支援、学習支援など、専門家がビデオ通話を通じて個別に関わるサービスです。現在、多くが自費のサービスです。公的な補助(通所給付費)の対象ではありません。

公的サービスの「代替」として使うものではなく、「組み合わせて使うもの」と理解しておくと、期待とのズレが生まれにくくなります。子どもによって合う合わないもあるため、体験セッションを試してから判断することをおすすめします。

言語聴覚士・作業療法士のオンライン個別セッション

専門家が個人でオンラインセッションを提供しているケースもあります。施設に通えない期間の「繋ぎ」として活用する家庭もあります。こちらも自費となります。

家庭での遊びの選択肢について

施設に通えない期間、「家でできることをしたい」と思う方に、ご参考までにご紹介します。

ワンダーボックスは、毎月届くSTEAM教材です(PR)。タブレットと工作・アートを組み合わせた内容で、遊びながら手を動かし、考える時間を家で作れます。空き待ちの間や、しばらく施設に行けない時期に、「遊びの中で何かできることを」と探しているご家庭が利用しています。

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また、LITALICOワンダーは、プログラミングとものづくりを中心とした学びのサービスです(PR)。対面教室のほか、オンラインコースもあります。「ものづくりやプログラミングを、遊びの延長で体験させたい」という方が活用しています。

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どちらも施設での療育・訓練の「代わり」ではありません。通えない状況の中で、家庭での時間をどう使うか——そのヒントとして参考にしてください。

「使える制度」より「繋いでくれる人」を探す

制度の名前を知っていても、「どこに連絡すればいいかわからない」と動けないまま時間が過ぎる——これが最も多いパターンです。

制度よりも先に、あなたの状況を丸ごと聞いてくれて、使える支援に繋いでくれる人を探すことの方が、実は近道です。

相談支援専門員

相談支援専門員は、障害のある子どもとその家族のために、使える支援を一緒に考えて、関係機関に繋いでくれる専門家です。

具体的には、こんなことをしてくれます。

  • 子どもの状況や家族の希望を聞いて、利用できる支援サービスを整理する
  • 療育施設、学校、保育園、行政の間に入って連携を取る
  • 「サービス等利用計画」を一緒に作る(受給者証の申請・更新にも必要)

相談支援専門員に繋がるには、市区町村の障害福祉課か、地域の相談支援事業所に問い合わせるのが最初の一歩です。

なお、事業所によって関わり方や動いてくれる範囲が違うのも現実です。「計画書を作るだけ」という事業所もあれば、施設探しから行政との調整まで積極的に動いてくれる事業所もあります。

私自身も、相談支援専門員のサポートを受けています。子どもが最初に通い始めた事業所がたまたま相談支援も行っていたことで繋がった、という経緯でした。偶然出会えたことに、今も感謝しています。

保育所等訪問支援について(補足)

「保育所等訪問支援」という制度があります。これは専門家が保育所や学校に出向き、子どもへの支援や職員へのアドバイスを行う制度です。お子さんが通う園や学校に専門家が来る制度であり、在宅での支援ではありません。施設に通えているお子さんの環境整備に活用できます。

まず動ける「最初の一歩」

「何から始めればいいか」——その答えは、一つです。

障害福祉課か、相談支援事業所に電話する。

電話するとき、特別な準備はいりません。

  • お子さんの年齢と状況(発達障害の診断があるかどうか等)
  • 受給者証があるかどうか(なくても相談できます)
  • 今困っていること(行き渋りで施設に行けない、空き待ちで困っているなど)

これだけ話せれば大丈夫です。「何を聞けばいいかわからない」という状態でも、「わからないので教えてほしい」と言えば聞いてくれます。


療育に通えない状況は、決してゴールの見えないトンネルではありません。

知らなかっただけで、使える制度はあります。繋がれていなかっただけで、動いてくれる人は存在します。

あなたが今日、一本の電話を掛けることから、状況は動き始めます。


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