5月のある夕方、息子が突然言いました。
「中学は普通級に行く。将来のために、進路のために」
驚きました。でも驚いたのは、言葉の内容だけではありませんでした。その言葉が——私からではなく、息子の口から出てきたことに。
「中学は普通級に行く」——息子が自分から言った日のこと
小6の今、息子は支援学級に在籍しています。
中学の進路については、私なりにずっと考えてきました。内申点のこと、高校受験のこと、全日制の公立高校を目指すなら普通級で数値化した評価が必要だということ。でもその日、私はまだ息子にそのことを詳しく話していませんでした。
それなのに、息子は言ったのです。
「中学は普通級に行く。将来のために、進路のために」
どこで聞いてきたのか。誰かと話したのか。それとも自分で調べたのか。
わかりません。でもその言葉を聞いて、私はまず「うれしい」と思いました。それと同時に、「この子は、情報においていかれないように、自分から動こうとしているんだ」とも感じました。
嬉しい。でも、複雑でもある。現実の道の険しさを知っているから。
その両方が、同時にありました。
その日から、小さな変化が積み重なり始めた
宣言してから数日後、Switch2を買いました。
ずっと欲しがっていたものでしたが、「本当に自分がやりたいから欲しいのか」を確認してから購入することにしていました。ゲームのルールも一緒に決めて、普通級に向けての話——提出物のこと、持ち物の管理のこと——も、その日のうちに話しました。
息子の返事は「わかった」でした。
そしてそこから、何かが変わり始めました。
「手紙と連絡帳を出して」と声をかけたら、学校と放デイ、両方をその日のうちに出してくれました。しまう場所もわかるようにして、翌日ちゃんと提出できた。
放デイには、私が仕事帰りにお迎えに行っています。私が着く数分前には、自分で準備を終えて待っていたそうです。先生いわく「そろそろお母さんが来る時間だから」と思って、自分から動いたと。宿題も、着いた時にはもう終わっていた。
(Switch2を買った日のことはこちらの記事に書いています)
「言われる前に靴下はいたよ」——驚いた朝のこと
その少し後の朝のことです。
朝食の時間に、呼ぶ前に自分からリビングに来ました。しかも、いつもより少し早いタイミングで。足音が違いました。ドタドタとしたあの音じゃなくて、落ち着いた音でした。
登校の時間になると、息子が自分から言いました。
「お母さんに言われる前に靴下はいたよ。先に行くね」
以前は「そろそろ時間だよ」と声をかけるたびに反発してきたのに。
「言われる前に」という言葉を、息子が自分から言えた。それだけのことなのに、驚いていました。小さな変化です。でも私には、大きく見えました。
放デイで「場の調整役」になっていた
同じ日の夜、放デイのお迎えに行くと、先生が話してくれました。
「先週と比べても用意が早くて。最近本当に落ち着きましたよ」
その日のプログラムはハートサインダンス。指文字で自己紹介もできたそうです。宿題もすぐ終わって、追加のプリントをやっていたと。
でも一番驚いたのは、小さい子たちの遊びに入って助言をするようになったという話でした。場の雰囲気を読んで、困っている子に声をかける。それが自然にできていたと。
先生の言葉をそのまま書きます。「最近は本当に落ち着いた」。
(放デイでの変化は以前も記録しています。こちらもよければ)
学校の話が「でも〇〇があって」で終わらなくなった
気がついたことがもう一つあります。
学校の話をしてくれる時、以前は決まった終わり方がありました。「〇〇があって楽しかった。でも〇〇があって……」と、最後に何かネガティブなことがくっついてくる。
それがここ数日、ほとんどなくなりました。
支援学級の子の話だけでなく、交流授業で一緒になる普通級の子の話も出てくるようになった。「〇〇くんがこう言ってた」という、普通の報告として。
何かが変わっているのだと、改めて感じました。
宣言どおりにいくかどうかは、わかりません
これを記録しておきたかった理由を、正直に書きます。
息子の宣言が正解かどうか、私にはまだわかりません。中学で普通級を選ぶことが、息子にとって本当にいい選択なのかも、まだわかりません。道が険しいことは、知っています。
(中学進路についての悩みはこちらにも書いています)
ただ、息子は情報を自分なりに集めて、自分で考えて、「普通級に行く」と口にしました。そして宣言してから、少しずつ行動が変わってきた。
言われる前に靴下をはく。数分前に自分で動く。小さい子に声をかける。
宣言どおりにいくかどうかは、わかりません。でも息子は、今、努力しています。
それが感じられる数日間でした。記録しておきたかった、ただそれだけです。


コメント