放課後等デイサービスとは——対象・費用・選び方・受給者証の申請まで

放課後等デイサービスのことを調べ始めた頃、こんな説明を見かけました。

「通所受給者証があれば、さまざまな習い事が定額で利用できる」

正直、最初はそういう制度なのかと思っていました。でも実際に動いてみると、そうではありませんでした。

放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちが学校の放課後や休日に通う福祉サービスです。療育的な支援・生活訓練・社会参加の練習など、「その子が社会の中で生きていく力」を育てる場所です。習い事を代替するものではなく、目的も対象も異なります。

私が経験したことを、書き残しておきます。

※療育との違い・受給者証の基本については、療育とは何か——対象・種類・受け方を、経験者が書きました「受給者証」と「療育手帳」は別物でしたもご参照ください。

対象になる子どもは誰か——年齢・診断・手帳の要否

放課後等デイサービスを利用できるのは、小学1年生から高校3年生(6歳〜18歳)の障害のある子どもです。

よく「手帳がないと使えないのでは?」と聞かれますが、そうではありません。療育手帳や精神障害者保健福祉手帳がなくても、通所受給者証があれば利用できます。

通所受給者証の申請には、一般的に「医師の意見書」が必要です。ただし、診断名が確定していなくても、発達支援が必要と医師が判断すれば申請できる自治体もあります。必要書類は地域によって異なるため、まずはお住まいの市区町村の障害福祉窓口に確認することをおすすめします。

何をしてくれるところか——支援の種類と「見るべき視点」

一口に放課後等デイサービスといっても、事業所によって支援の内容はかなり違います。大きく3つに分けると、こんなイメージです。

① 療育・生活訓練型
感覚統合・日常生活動作(着替え・食事など)・コミュニケーション支援が中心。就学したばかりの子どもや、生活面で支援が必要な子に多く選ばれます。

② 学習・認知型
宿題の支援・読み書きのトレーニング・認知機能のトレーニングが中心。学習面での困りごとが大きい子に向いています。

③ 社会適応・SST型
ソーシャルスキルトレーニング(人との関わり方の練習)や、就労準備的なプログラムが中心。中学生以降で多くなるタイプです。

どれが「正しい」というわけではありません。今のお子さんの困りごとや、目指したい姿に合っているかどうかが選ぶ基準になります。事業所によってはこれらを組み合わせているところもあるので、見学で実際に確認するのが一番です。

費用はいくらかかるか——上限額と「実費」の話

放課後等デイサービスの利用者負担は、世帯の収入によって上限が決まっています。

世帯の状況月額上限(1割負担)
生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯0円
市町村民税課税世帯(年収おおむね890万円未満)4,600円
それ以上の所得がある世帯37,200円

ただしこれは「サービス利用料の1割」の上限です。これとは別に、実費として送迎費・おやつ代・教材費などがかかる場合があります。事業所によって実費の有無・金額は異なるため、見学や問い合わせの際に確認しておくと安心です。

受給者証の申請から利用開始まで——手順と目安

放課後等デイサービスを利用するには、まず通所受給者証が必要です。おおまかな流れはこうなります。

① 市区町村の障害福祉窓口へ相談・申請
必要書類(医師の意見書など)を準備して申請します。必要書類は自治体によって異なります。

② 支給量の決定
月に何日利用できるかが決まります(支給量)。

③ 受給者証の交付
申請から交付まで、自治体によって1〜2か月かかることがあります。

④ 事業所と契約・利用開始
受給者証を持って、利用する事業所と契約します。

受給者証の申請については、「受給者証」と「療育手帳」は別物でしたに詳しく書いています。申請の仕組みが分からない場合は、相談支援専門員への相談が一番スムーズです。

「ずっとは使えない」——年齢の壁と持ち上がりの現実

これが、私が一番「知っておけばよかった」と思うことです。

制度上は小学1年生から高校3年生まで使えることになっています。でも現実の事業所は、全年齢に対応しているとは限りません。

私が地域で探した範囲では、多くの事業所が主に低学年向けの設計でした。高学年になると受け入れてもらえる事業所が限られ、中学生を受け入れているのは地域に1か所だけ——しかもそこは療育というより就労に向けたトレーニングがメインとのことでした。高校生になると、普通級の子向けのSST(ソーシャルスキルトレーニング)専門の施設で見かけたくらいです。

これは制度で決まっているわけではなく、各事業所が対象としている年齢層の問題です。「小3になったら使えなくなる」ということではなく、「その年齢に対応している事業所が少ない」という現実があります。

また、持ち上がり構造と呼ばれる現象もあります。「児童発達支援(未就学児向け)から同じ系列の放課後等デイサービスへ続けて使う」ケースが多く、外から新規で入ろうとすると空きが出にくいという状況があります。これも制度上の規定ではなく、事業所の運営上の慣例によるものです。

「使いたい時期に使える事業所があるか」は、早めに確認しておく必要があります。

見学でチェックすること——後悔しない選び方

候補の事業所が決まったら、必ず見学に行くことをおすすめします。資料だけでは分からないことが、現場で見ると分かります。

見学時に確認したいこと

  • スタッフの子どもへの声かけ ——命令口調ではなく、子どものペースに合わせているか
  • 利用している子どもの様子 ——穏やかに過ごせているか、混乱している子に適切に対応しているか
  • 利用者の年齢・支援ニーズの幅 ——お子さんに合った環境かどうか
  • プログラムの内容 ——見学日だけ特別なプログラムにしていないか
  • 送迎の対応 ——学校へのお迎えか、自宅からか。送迎エリアの確認
  • 実費の内訳 ——おやつ・教材・イベント費用など

「雰囲気は良いけれど、お子さんとの相性は別の話」ということもあります。見学だけで決めず、体験利用ができる事業所は体験してから判断するのが安心です。

空きがない・断られた時に取れる手段

「申し込んでみたら満員だった」「断られた」という経験をしている方は少なくありません。私も経験しています。

① 複数の事業所に並行して申し込む
1か所に絞らず、複数に同時に問い合わせることが現実的です。

ただし、複数の事業所と契約できても、同じ日にA事業所とB事業所を両方使うことはできません。受給者証の支給量(月の利用日数)は1日単位でカウントされるため、「午前はA、午後はB」という使い方は制度上認められていないためです。月曜はA事業所、火曜はB事業所のように、曜日を分けて使い分けることは可能です。

② キャンセル待ちに登録する
入れなくても、キャンセル待ちとして名前を入れてもらえる事業所があります。

③ 相談支援専門員に動いてもらう
一人で探すより、相談支援専門員に「希望に合う事業所を探してほしい」と依頼する方が情報が集まりやすいことがあります。地域の事業所の空き状況を把握していることもあります。

相談窓口の使い方については、発達障害の子を持つ親、相談はどこへに詳しく書いています。

相談支援専門員との出会いについては、体験記もあります。
→ 相談支援専門員と出会えたのは、偶然でした——小1〜4、不登校の4年間を支えてもらった記録

④ 事業所の対象年齢が合っていないか確認する
断られた理由が「対象年齢外」の場合は、その年齢に対応している事業所を探し直す必要があります。

まとめ

放課後等デイサービスは、使い方次第でとても心強い制度です。ただ——知らないまま動くと、「入れなかった」「使えない時期になった」という経験をしやすい制度でもあります。

制度は複雑で、地域によっても違います。でも——知っていれば、選べます。

「何から始めればいいか分からない」という方は、まずお住まいの市区町村の障害福祉窓口か、相談支援専門員に相談してみてください。知識を持って動くことが、選択肢を広げる一番の近道だと、今の私は思っています。

この記事が、一人で悩む親の力になれれば幸いです。

学童から放デイへ切り替えた実際の体験は、こちらに書いています。
→ 小1の春、学童をやめた——息子が荒れた本当の理由

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