この夏、息子は6泊7日のキャンプに、一人で行ってきました。
親は同行しません。小学生から中学生までの子どもたちが集まって、班に分かれて過ごす一週間です。
送り出す朝、私はイライラしていました。そして一週間後、再会したときの第一印象は、「臭い!」でした。
出発の朝、私はイライラしていた
出発は平日の朝でした。通勤ラッシュを避けたくて、時間に余裕をもって家を出ると決めていました。
その前日のことです。買い物に出られるタイミングがあったので、「足りないものはない?」と息子に聞きました。何も出てきませんでした。ところが、そのあとになって足りないものが出てきて、もう一度買い物に行くことになりました。
そして当日の朝。出発の時間が近づいても、息子は荷物の最終確認をしません。買い足したものが入っているかどうかも、確かめないままです。
「キャンプだから長袖長ズボンで」と伝えていたのに、息子は半袖半ズボンで出てきました。約束が違う、と私は怒りました。
——ただ、長袖長ズボンは、ちゃんと大きいカバンに入っていました。向こうで着替えるように言うと、息子はすぐに着替えました。
出発直前には「トランプ持っていく」と言い出して引き出しを物色し、見つからないとすぐにあきらめていました。
素早く動けるのはいいところだと思っています。ただ、一人で参加する旅行のときは、もう少し早めに動いて確認しておいてほしい。買い物に行けるタイミングで聞いたときに言ってくれていたら、買い足しも荷物の確認も、その日のうちに終わっていました。そこまでを前日に終えておいてほしかった——というのが、あの朝の私の気持ちでした。
朝食は「家で食べるか、外で食べるか」を息子に選ばせていて、外に決まっていました。家を出て、駅の近くのお店へ。平日の朝にお店で食べるのは初めてで、出勤前の会社員の方たちで土日以上に混んでいます。なんとか隣り合う席を確保しました。
そのあと駅で、お昼ごはんと、車中のおやつを買いました。車中のおやつだけは、息子にとって譲れないものらしいのです。
ホームで渡した、三つの言葉
出発の前日には、放課後等デイサービスの先生から「近くまで行く予定があるから、キャンプ場みたら呼ぶからな!」と声をかけてもらっていました。
そしてホームで、私は息子に三つのことを伝えました。
- 体調を崩さなければ、あなたは大丈夫
- 何かあったら、すぐリーダーに相談して
- 緊急の時は電話して。無理はしなくていい
新幹線が入ってきて、ハイタッチをして、息子は乗り込んでいきました。
大きなボストンバッグを荷物棚に上げようとして、断念して足元に置いていました。自分で判断して、切り替えたようです。席に着いてテーブルを出し、荷物を置いて、お菓子とジュースをセットして、リクライニングを倒して、満足そうに外を見ていました。
そして「行ってくるよ」と、サムズアップ。
約一週間、楽しいだけではないと思う。でも、今の息子ならいい経験になるはず。一週間後が楽しみだ——そう思っていました。
いきなり6泊7日ではなかった
昨年の年末と今年の2月の2回、冬のキャンプに参加しています。1泊2日と、2泊3日。今回に比べれば短い日程ですが、子どもにとって決して短いわけではありません。
そして今回、過去のキャンプで出会ったリーダーと、また顔を合わせたそうです。あの2回がいい経験になっていたと思いますし、その人との関わりも良かったのだと思います。
どの回も、息子が「行きたい」と言ったから行かせています。今回も同じでした。
夏休みの過ごし方については、こちらの記事にも書いています。息子が予定の見通しを持てているときの動き方については、この記事でも触れました。
保育園の運動会も、4年かけて少しずつ変わっていきました(運動会の4年間)。
「臭い!」——それが第一印象だった
一週間後、迎えに行きました。
第一印象が、「臭い!」でした。
そのくらい、充実していたのだと思います。本当に、いらない心配ばっかりしているのだな、と思いました。
一人称が「僕」から「俺」になっていました。今は「僕」に戻っています。
帰りの車で、息子が話した順番
帰り道、息子はキャンプの話をずっとしていました。
最初に出てきたのは、持ち物の話だった
同じチームメイトに、帰りの切符が入ったICカードを取られそうになった、という話でした。未遂だったようです。
次に、コップと歯ブラシと歯磨き粉を取られて、2日くらい歯磨きができなかった、と言いました。
最終的には、それらは荷物の中に入っていました。困っていたのが2日で済んだのか、それとも、息子が気づかないうちに荷物に戻されていたのか。結局、何が起きていたのかは、私には分からないままです。
周りの上級生が「大丈夫?」と声をかけてくれた、という話も一緒に聞きました。困っている子がいれば気づいて、声をかけて、一緒に何とかしようとする。子どもたちの間には、そういうものがちゃんとありました。大ごとにならずに済んだのは、そのおかげだと思っています。
そのあとに出てきた話
やっぱり自分は料理が好きなんだと再確認できた、ということ。
キャンプ飯のコンテストがあって、1位になれなかったこと。敗因はデザートを付けなかったからで、優勝したチームはフルーツポンチを付けていたそうです。
自分はポークステーキを作ったこと。包丁さばきがうまいと褒められたこと。「断面で美味しく見せるのは凄い!」と言われたこと。
班では火の当番をやって、「火付けとかうまくなったからいつでも言って」と言ってくれたこと。
シャワーを止めるようになっていた
キャンプ場のお風呂は、コインシャワーだったそうです。時間も水も、制限がかけられた状況でした。
それもあってか、男子臭というものが本人も気になったようです。
帰ってきてから、体や頭を洗うときに、シャワーを止めるようになっていました。
当然のことなのですが、できない人のほうが多いと思います。散々注意してもできなかったことが、できるようになっていました。驚きました。
その夜、「僕も副リーダーになりたい」と言いに来た
帰ってきた日の夜、息子が突然、私の部屋に来て言いました。
「僕も副リーダーになりたい」
このキャンプは、参加者が小学3年生から中学3年生まで。各班にリーダーがいて、大学生くらいの方が務めています。副リーダーは高校生です。
私はこう返しました。
「継続して参加して、副リーダーを目指せば良い。今度いった時に聞いてご覧。多分、高校生くらいからだと思うから、まだなれないとは思う。」
夏は暑いから嫌がるかと思っていたのですが、来年も行く、と言っていました。
秋に開催予定のキャンプには、行きたいと言っています。
息子が自分の「好き」を将来の形で語るようになったことについては、この記事にも書いています。
おわりに
出発の朝、私はイライラしていました。荷物の確認をしない、服が違う、直前にトランプを探し始める。
一週間後に会った息子は、臭くて、料理の話をたくさんして、負けた理由を自分で分析して、シャワーを止めるようになっていて、副リーダーになりたいと言いました。
本当に、いらない心配ばっかりしているのだと思いました。
これからも継続して参加して、いろいろな人との交流を持ってほしいと思っています。新しい目標もできて、嬉しい限りです。
息子のこれまでの歩みは、こちらのページにまとめています。
この記事は、運営者(万樹)が発達障害のある子どもを育てるなかでの実体験と、自分なりに調べた内容をもとに書いています。制度の運用や支援の要否には地域差・個人差があります。具体的なご判断は、お住まいの自治体の窓口や専門機関にご確認ください。


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