約束の4日間——息子のスマホが止まった朝のこと

「おやすみ」と言ったのに、部屋から音がした。

椅子が軋む音。かすかで、でも確かな音。

私はベッドの中で、その音の意味を考えないようにしていた。

息子のデジタル機器のこと

小6の息子は今、3つのデジタル機器を持っている。

ノートPC、スマホ、そしてSwitch2。

スマホは格安SIMで契約していて、私も息子も月50GBのモバイルデータ通信。自宅にWifiは引いていない。私は正直、50GBを使い切ったことがほとんどない。

もともとスマホとPCを渡したのは、オンライン授業のためだった。不登校だった時期もあって、家にいながら学べる環境を作りたかった。渡しっぱなしだったのは、信じていたから——というより、信じようとしていたから、かもしれない。

Switch2を購入したときには、中学に向けていくつかの約束をした。

  • 睡眠時間は8時間とること
  • Switchのゲーム時間は1日1時間
  • 小学生向けのオンラインスクールを受けること
  • ITリテラシーと金融リテラシーについて学ぶこと
  • 小学生のうちはいろいろなところに行くこと
  • ネガティブな発言を控えること

別に厳しいとは思わない。中学に向けて、当たり前のことを当たり前に話しただけだ。

その時のことは、Switch2を買う日に、一つだけ確認したことにも書いた。

先月末のこと

先月末、私は息子に伝えた。

「今月は自分のスマホの容量を超えたら、その月はそれで終わりね」

1週間も持たなかった。

正確には、4日だった。50GBが、4日で消えた。

翌朝、私は久しぶりに本気で怒った。

調べてわかったこと

怒りながら、調べた。

深夜の使用ログが出てきた。「おやすみ」と言った後も、スクリーンタイムの記録が続いていた。設定が不完全だったのは私の問題でもある。でも、設定をかいくぐろうとする力は、それだけ切実だということでもある——と今は少し冷静に思う。

ノートPCを確認すると、以前削除したはずのオンラインゲームが残っていた。開発モードもあるゲームだったから、プログラミングに興味が向くかもしれないと、一時期残しておいたのだった。でも息子が向かったのは、開発ではなくゲームとチャットだけだった。

そのゲームをした後の息子の言葉遣いは、明らかに悪くなる。それも気になっていた。ずっと辞めてほしかった。ITリテラシーもネットのマナーも、まだ身についていない段階でオンラインに出てほしくなかった。伝えていたのに、伝わっていなかった。

「日曜日は出かけたくない」——最近そう言い始めていた。なぜだろうと思っていたけれど、これでわかった気がした。

「夜ふかし」について、私が思うこと

夜ふかしを全否定したいわけじゃない。

勉強したいことがある夜、やりたいことが止まらない夜、どうしても考えていたいことがある夜——そういう夜ふかしは、悪くないと私は思っている。日中に時間の取れない人が、夜に時間を作る。それも手段のひとつだ。

でも、ぼーっとYouTubeを流し続けるだけの夜ふかしは、違う。

それはただ、健康と時間を削っているだけだ。

夜ふかしがかっこいいなんて、絶対にない。少なくとも今の息子には、そう思ってほしくない。

決めたこと

渡しっぱなしを、やめることにした。

スクリーンタイムの設定を強化するより、物理的に預かる方が確実だと思った。寝る時間になったら、機器を私に渡す。シンプルにそれだけ。

息子は「ルールが増えるならいらない」と言った。

私は引かなかった。

「ルールは増やしていない。今まで破られているのを、私が見て見ぬふりをしていただけ。許容できないところまで来たから、ちゃんと守らせる方法に変えた。それだけのことだ」

息子はまだごねている。でも、機器はまだ戻していない。

「デジタルを使いこなせること」を育てたい

息子の将来について、私はあまり「普通のルート」を想定していない。

高校、大学、会社勤め——そのレールがうまく機能する可能性は、正直高くないと思っている。もちろん、そのルートを選ぶ子どもだっている。ただ、うちの息子については——という話だ。

だからこそ、別の軸を育てたい。

これからの時代、フィジカルの強さは社会資本になる。そして、デジタル機器を「使える」こと——これも同じくらい大事な資本になると思っている。

だから今から育てたい。でもそのためには、まず使い方の土台がいる。

深夜に画面を眺め続けることじゃなくて、道具として使えること。それを身につけてほしい。

今回の出来事は、私がそれを先延ばしにしてきたことへの、一つの答えだったのかもしれない。

最後に

「おやすみ」と言ったのに、椅子の音がした夜のことを、私はしばらく忘れないと思う。

信じて渡していたつもりが、見て見ぬふりをしていた部分もあったのかもしれない。

デジタル機器とどう向き合わせるか。発達障害のある子を持つ親として、これからも答えが出続けることだと思っている。

今日の私の答えは、「夜は預かる」だった。

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