健康診断の結果、“流れ”で読む方法——H・Lより、去年からどう動いたか

健康診断の結果、“流れ”で読む方法——H・Lより、去年からどう動いたか

毎年届く、健康診断の結果。あの一枚を、皆さんはどんなふうに読んでいますか。

私は長いあいだ、「H」と「L」の赤い字だけを探していました。基準より高い、低い。その印がいくつあったかで、その年の自分を採点するように見ていたのだと思います。印がなければほっとして、いくつかあると気持ちが沈む。数字の意味まではよくわからないまま、赤い字の数だけで一喜一憂していました。

そんな読み方が少し変わったのは、あることをしてみてからでした。今日は、私が健診結果をどう読むようになったか——「点」ではなく「流れ」で見る、という読み方について書いてみます。医療の専門家としてではなく、毎年あの紙を受け取っている一人として、です。


毎年の結果、H・Lだけ見ていませんか

健診結果の紙には、たくさんの項目が並んでいます。血圧、血糖、コレステロール、肝臓の数値、血液のこと。それぞれに基準の範囲があって、外れると「H(高い)」「L(低い)」の印がつきます。

私もそうでしたが、多くの方が、まずこの赤い字を探すのではないでしょうか。そして印の数で、その年の健康を判断してしまう。けれど一枚の紙だけを見ていると、赤い字は「今の自分のだめなところ」の一覧に見えてきて、気持ちばかりが重くなります。

数字が持っている、もう一つの情報が抜け落ちてしまうからです。

「点」で見ると不安になる。「流れ」で見ると見えてくるもの

その「もう一つの情報」とは、去年からの動きです。

今年の紙だけを見るのは、いわば「点」で見ること。基準の内か外か、それだけです。でも、去年の結果を隣に並べると、同じ数字が「線」になります。上がったのか、下がったのか。その向きが見えてきます。

たとえば同じ「基準を少し超えたH」でも、去年は基準の内側だったのが今年初めて外へ出たのか、それとも何年も同じあたりで落ち着いているのかで、意味あいは変わってくるように思います。一年の点では慌ててしまうことも、数年の流れで見ると「まだ様子を見ている段階なのかもしれない」と、少し落ち着いて眺められることがあります。逆に、基準の内側にいても、毎年じわじわ同じ方向へ動いているなら、それは覚えておきたい流れかもしれません。

前回値と並べて読む——向きと、程度

私が今しているのは、とてもシンプルなことです。去年の結果と今年の結果を、隣に並べる。それだけです。

そのうえで、二つのことを見るようにしています。一つは向き。去年から上がったのか、下がったのか、変わらないのか。もう一つは程度。動いたとして、それはほんの少しなのか、大きくなのか。

多くの健診結果には、前年の数値が一緒に印刷されていることもあります。もし手元に去年の紙が残っていれば、並べてみるだけで、この「向きと程度」は驚くほど見えやすくなります。私は健診結果を、その年ごとに捨てずにとっておくようになりました。一枚では点でしかない数字が、何枚か重なると、自分の体の流れとして読めてくるからです。

総合判定の区分——「経過観察」と「要再検査」は違う

結果の紙には、項目ごとの数値とは別に、全体の「総合判定」が書かれていることが多いです。「A」「B」といった区分や、「異常なし」「経過観察」「要再検査」「要精密検査」といった言葉です。

この区分は、ざっくり言えば「次に何をするといいか」の目安です。一般的には、経過観察は「今すぐ何かではなく、次の機会にまた見ましょう」という段階、要再検査や要精密検査は「もう少し詳しく調べておきましょう」という段階、というように、対応の急ぎ方が違ってきます。

ただ、区分の呼び方や基準は、受けた施設や自治体によって表記が違うことがあります。同じ体でも、書かれ方が変わることがあるのです。ですから、自分の紙の区分が具体的に何を意味するのかは、結果に添えられた説明や、健診を受けた機関に確認するのがいちばん確かだと思います。「この区分だから大丈夫」「この区分だから大変」と、言葉だけで決めつけないようにしています。

一つ動かすと、連れて動く数値がある

流れで見ていると、もう一つ気づくことがあります。ばらばらに見える数値の中に、どうやらつながっているものがある、ということです。

たとえばお腹まわりの脂肪は、血圧や血糖の数値とも関係し合っているとされています。そういう項目は、一つが動くと、いくつかが連れて動くことがあるようです。だとすると、気になる数値がいくつかあっても、変えるところは案外一つで足りるのかもしれない——そんなふうに、全体を一枚の地図のように眺められると、あれもこれもと抱え込まずにすみます。

どの数値とどの数値がつながっているのかは、素人の私が決めつけられることではありません。けれど「この数字たちは仲間かもしれない」という目で見ると、結果の紙が、責めるためのものではなく、これからを考えるための材料に見えてきます。

数値は、これからを考えるための材料

私にとって健診結果は、長いあいだ「採点表」でした。赤い字の数で、その年の自分に点数をつけるような。

でも、去年の紙と並べて流れで読むようになってから、少しだけ受け取り方が変わりました。数字は、過ぎたことを責めるためではなく、これからをどうするか考えるためにある。そう思えると、あの一枚を、前より落ち着いて開けられるようになりました。

私自身が、今年の結果を流れで読んでどんなことに気づいたかは、こちらの記事に書きました。あわせて、健診で受ける個々の検査をどう選んできたかは、大腸がん検診胃の検査乳がん検診のことも書いています。

今年の紙が届いたら、よかったら去年の一枚も引っぱり出して、並べてみてください。赤い字の数ではなく、去年からどっちへ、どれくらい動いたか。その向きが見えると、同じ結果でも、少し違って読めるかもしれません。


この記事は、私自身が健診結果を読むときにしていることと、一般的に言われていることの共有です。診断や治療に代わるものではありません。数値や区分の具体的な意味、気になる症状があるときの判断は、結果を発行した健診機関や、実際に診てくださる医療機関にご相談ください。


この記事について:この記事は、運営者(万樹)自身の受診や治療の体験と、自分なりに調べた内容をもとに書いています。専門家が内容を保証しているわけではありません。症状や治療のご判断は、体質や状況によって一人ひとり違います。気になることは、必ず主治医や専門医にご相談ください。

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