今年で3回目の胃カメラ。なぜ私はバリウムをやめたのか
健診の胃の検査が、今年で3回目の胃カメラでした。
それより前は、ずっとバリウムでした。あの、白い液体を飲んで、台の上でぐるぐる向きを変えて、X線で撮るあれです。それを、3年前にやめました。
きっかけは、ちょっとしたことです。でも、いざ胃カメラに切り替えてみたら、その3回目で「バレット食道」という思いがけない指摘を受けることになりました(その話はこちらの記事に書きました)。
この記事は、「なぜ私はバリウムをやめて、胃カメラを選んだのか」——その理由を、検査方法の違いも含めて書いておこうと思います。「知ったうえで選べたらいいな」という気持ちで。
きっかけは、3年前に聞いた「健康は資産」の話
3年前、あるYouTubeのライブ配信を見ていました。テーマは「健康は資産だ」という話。お金を増やすことと同じくらい、健康を守ることに意識を向けよう、という内容でした。
そのなかで、ひとつ、わりと極端な意見を耳にしました。「バリウムで何か見つかったときには、もう手遅れに近い」というような話です。
——今思えば、これはかなり極端な見方です。バリウムでも、早い段階で見つかるものはちゃんとあります。だから、この言葉をそのまま信じるのは違う、と今の私は思います。
でも、当時の私の背中を押したのは、確かにこの一言でした。「そういうこともあるのかな」と引っかかって、自分なりに調べ始めるきっかけになったんです。
私が感じた、素朴な疑問——陰影か、実物か
調べながら、私の中にひとつ、素朴な疑問が芽生えました。
これだけカメラや画像の技術が進んだ情報社会で、胃の中を「実物の映像」で見られる方法があるのに、どうして私はずっと、陰影——白黒の影の濃淡——で確かめる検査を受けてきたんだろう、と。
バリウムは、飲んだ液体がX線にどう映るか、その影の形で胃の状態を推測します。一方、胃カメラは、カメラが胃の中に入って、粘膜そのものを直接映します。
もちろん、これは私の感覚的な引っかかりにすぎません。でも「自分の体のことなら、できれば実物を見てもらいたい」——そう思ったのが、私が胃カメラを選んだ正直な気持ちでした。
バリウムと胃カメラは、何が違うのか
調べてわかったことを整理します。それぞれの得意分野があるとわかりました。
バリウム(X線造影)は、バリウムを飲んで、X線で胃の形・流れ・全体像を、影として見る検査です。胃の形の異常や、潰瘍の凹み、胃の壁の伸びにくさ(硬さ)といった、「形・全体」の変化を見るのが得意だそうです。
胃カメラ(内視鏡)は、カメラで粘膜を直接見ます。色や、ごく細かい変化まで捉えられるのが、バリウムとの大きな違いです。
つまり、バリウムは「形・全体を、影で」、胃カメラは「粘膜・色を、直接」。見ているものが、そもそも違うんですね。
バリウムでは見つけにくいもの——逆流性食道炎・バレット食道
そして、これが私にとっていちばん大きかったところです。
私が3回目の胃カメラで指摘されたのは、「バレット食道」でした。逆流が長く続いた結果としてできるとされる、食道の粘膜の色や性質の変化です。
調べてみると、こうした軽い逆流性食道炎やバレット食道は、バリウムでは見つけにくく、診断は胃カメラでないと難しいとされていました。影(形)では、粘膜の色の変化までは捉えきれないから、ということのようです。
もし私がバリウムを続けていたら、たぶん、このバレット食道には気づけないままでした。胃カメラに切り替えていたから、見つかった。そう考えると、あのときの選択は、私にとって意味のあるものだったと思っています。
どちらにも、負担はあります
「じゃあ胃カメラにしたほうがいいの?」というと、そう単純でもありません。どちらの検査にも、受けるときの負担はあります。
バリウムは、あの白い液体を飲んで、台の上で何度も向きを変えて、X線で撮ります。検査のあとは下剤を飲んでバリウムを出します。もともと便秘がちな方には、これが少し大変かもしれません。それと、X線を使うので、妊娠の可能性がある方は避けるのが一般的だそうです(胃カメラはX線を使いません)。
一方の胃カメラも、負担がないわけではありません。私がいちばん身構えたのは、のどにカメラが触れて「オエッ」となること。これが苦手な方には、鼻から入れる「経鼻」や、鎮静剤で眠っている間に受ける方法があります。ただ、鎮静を使うと検査のあとしばらく休む必要があったり、その日は運転を控えたほうがよかったり。受けられる場所や費用も、バリウムとは少し違ってくることがあります(このあたりは大腸の検査でも考えたことで、こちらにも書きました)。
どちらにも、楽なところと、しんどいところがある。自分はどちらの負担なら受け入れやすいかな——そう考えて選べたらいいな、と思います。
3回受けて思う——選べるなら、知ってから選びたい
胃カメラを3回受けてきて、今、思うことがあります。
健診によっては、「バリウムか胃カメラか」を選べる場合があります。私はずっと、深く考えずにバリウムを受けていました。でも、それぞれが何を見ている検査なのかを知ってからは、「自分の体のことだから、自分で選びたい」と思うようになりました。
これは、胃の検査に限った話ではありません。私は婦人科にも通っていて、ピルや子宮の経過観察と向き合ってきました(その道のりはこちらにまとめています)。受け身で「やらされる」のではなく、知って、自分で選ぶ。その感覚が、少しずつ自分の中で育ってきたように思います。
陰影か、実物か——私はこう選びました
バリウムは、形や全体を見るのが得意な検査です。私は選ばなかったけれど、それぞれに役割があるのだと思います。
そのうえで、私は——「実物を、直接見てもらいたい」「粘膜の細かい変化も拾ってほしい」と思って、胃カメラを選びました。そして3回目に、バリウムでは見つけにくかったバレット食道に気づけた。私にとっては、それが答えでした。
もし今、健診で「どっちにしますか」と聞かれて迷っている方がいたら。それぞれが何を見ている検査なのかを、少しでも知ってから選んでもらえたら——同じように自分の体と向き合う、ひとつのきっかけになればうれしいです。
※この記事は、検査方法を選んだ一個人の体験と、一般的な情報の共有です。どちらの検査が適しているかは状況により異なります。検査の選択は、お住まいの自治体の案内や医療機関にご相談ください。
この記事について:この記事は、運営者(万樹)自身の受診や治療の体験と、自分なりに調べた内容をもとに書いています。専門家が内容を保証しているわけではありません。症状や治療のご判断は、体質や状況によって一人ひとり違います。気になることは、必ず主治医や専門医にご相談ください。


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