発達障害の子と肥満・糖尿病リスク——偏食・運動・親として知っておきたかったこと

息子の体重が急に増えたとき、私がいちばん怖かったのは、小児科の先生に言われた「糖尿病」という言葉でした。

「発達障害の子は太りやすいの?」「偏食と肥満は関係あるの?」「糖尿病って、子どもでもなるの?」——当時の私が知りたかったことを、あらためて調べてまとめました。

私は医療の専門家ではありません。同じ道を通った親の一人として、調べたこと・経験したことを共有します。お子さんの体のことで気になることがあれば、かかりつけの先生に相談してみてください。

(我が家の体重管理の経緯は、体験記に書いています)

発達障害の子が偏食になりやすい、構造的な理由

「好き嫌いが多いのは、しつけの問題」——そう言われて傷ついた経験のある方も、いるのではないでしょうか。

調べていくと、発達障害のある子の偏食には、わがままやしつけとは別の、構造的な理由があることが分かってきます。

感覚の過敏さ。味・におい・食感・見た目への感覚が敏感だと、多くの人が気にならない刺激が、強い不快感になることがあります。「食べない」のではなく「食べられない」に近い状態です。

いつもと同じ、への安心感。同じものが続くことに安心を感じる特性があると、食べ慣れたものから外れること自体がハードルになります。初めての食べ物への警戒心が強い子も少なくありません。

口の動きの苦手さ。噛む・飲み込むといった口腔機能の発達がゆっくりな場合、硬いもの・繊維の多いものが苦手になることがあります。

どれも、親の関わり方の問題ではありません。まずそのことを、自分自身に許してあげてほしいと思います。

偏食が食生活に与える影響——糖質に偏る、水分がジュースになる

偏食の中身を見ると、食べられるものが炭水化物に寄っていくケースが多いようです。白いごはん、パン、麺、お菓子。味と食感が安定していて、「裏切られない」食べ物たちです。

飲み物も同じです。水やお茶を受けつけない子にとって、甘い飲み物は数少ない「安心して飲めるもの」になりやすい。我が家でも、水分補給がほぼジュースという時期がありました。

糖質中心の食事と甘い飲み物の組み合わせが続くと、カロリーと糖質の摂取量は静かに積み上がっていきます。「ちゃんと食べているから大丈夫」に見えて、栄養のバランスは大きく偏っている——ここが、偏食と肥満がつながりやすいポイントなのだと思います。

(水分補給については、息子が香りで飲み物を選べるようになった話も書いています)

子どもの肥満と糖尿病リスク——1型と2型は、別の病気

「糖尿病」と一口に言っても、大きく分けて2つのタイプがあります。ここは私自身、調べて初めてきちんと区別できるようになったところです。

1型糖尿病は、インスリンを作る細胞が壊れてしまうことで起こる病気です。生活習慣や肥満が原因ではありません。子どもや若い人にも発症することがあり、発症を防ぐ方法は今のところ分かっていません。誰のせいでもない病気です。

2型糖尿病は、インスリンの効きが悪くなるなどして血糖値が高い状態が続く病気で、こちらは肥満や生活習慣との関連が指摘されています。かつては大人の病気と言われましたが、子どもや思春期での発症もあると言われています。

息子が小児科で「このまま行ったら糖尿病まっしぐら」と言われたとき、先生が心配していたのは、この2型のリスクの方でした。

身近に、若い頃に1型糖尿病を発症し、大人になった今も月1回の通院を続けている方がいます。医療費も毎月かかり続けると聞きました(治療内容や制度によって人それぞれだそうです)。タイプは違っても、「糖尿病は一生付き合う病気になり得る」という現実は同じです。防げないタイプがあるからこそ、防げる可能性のあるリスクには、早めに目を向けたい——私はそう受け止めました。

運動習慣の壁——「運動させればいい」が、いちばん難しい

肥満対策として必ず挙がるのが運動です。ただ、発達障害のある子に運動習慣を作ることは、言葉で言うほど簡単ではありません。

習い事は、技術の前に「環境」の壁があります。集団での指示が入りにくい。感覚的に合わない場面がある。興味が続かない。我が家も水泳とサッカーに挑戦して、続きませんでした。スポーツ療育に取り組む放課後等デイサービスという選択肢もありますが、地域や年齢によって選べる事業所はかなり限られます。

(放デイの探し方・年齢の壁についてはこちらの記事にまとめています)

だから、もし習い事が続かなくても、それはお子さんのせいでも、親の根気のせいでもありません。

ハードルを下げる方法も、いろいろあるようです。決まったコースの散歩。家の中でできる体を使った遊び。学校と連携して、学校生活の中で体を動かす機会を作ってもらう——我が家の場合は、支援学級の先生が運動習慣づくりに付き合ってくれたことが、大きな転機になりました。

受診の目安と相談先——「いつもの小児科」という選択肢

「どのくらいなら様子見でいいのか」は、親だけでは判断が難しいところです。私が経験から言えるのは、迷ったら、かかりつけの小児科で相談してみるのが一番早かった、ということです。

目安になりそうなサインとしては、こんなものがあります。

  • 学校健診で肥満傾向を指摘された
  • 成長曲線から大きく外れて体重が増えている
  • 短期間で急に体重が増えた

我が家は、発達面でもともと通院していた小児科の先生に相談し、体重管理の通院を始めました。家庭の感覚ではなく数値で見守ってもらえること、変化があればすぐ気づいてもらえることは、親の安心にもつながっています。

発達のことで通院先があるご家庭なら、その先生に体のことも相談してみる——そんな入り口もあります。

まとめ——偏食も、運動の難しさも、特性と地続き

調べて、経験して、私が持ち帰ったのはこの3つでした。

  • 偏食は、しつけや愛情の問題ではなく、特性と地続きの「構造」で起きている
  • 糖尿病には防げないタイプ(1型)と、リスクを減らせる可能性のあるタイプ(2型)がある。だからこそ、防げる部分と早く気づける部分に目を向ける
  • 運動も食事も、家庭が一人で背負わなくていい。医療・学校・制度——頼れる先は一つではない

お子さんの体型のことは、外からあれこれ言われやすいのに、親が相談できる場所は意外と少ない領域です。もし一人で抱えている方がいたら、まずはいつもの小児科で、一言相談してみてください。

あなたの悩みは、あなただけのものではありません。

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