就学相談で初めて知ったこと——特別支援学校・支援学級・普通級、どう選んだか

息子は今、小学6年生です。

来年は中学進学。また新しい進路の選択が目の前にあります。

そのたびに思い返すのが、あの年長の春のこと。初めて「就学相談」という言葉を聞いた日のことです。

何も知らないまま、ただ不安で。でも誰に相談すればいいかも分からなくて、ひとりで検索し続けた夜があります。

あの頃の私に届けたくて、この記事を書いています。

就学相談って何をするところ?(年長の春・4〜5月に始まった)

いつ、誰に相談するのか

就学相談の話が出たのは、息子が年長になった春でした。4月か5月頃だったと思います。

担任の先生から、教えてもらいました。「小学校への進学に向けて、事前に相談できる場所があります。息子くんのことを先に相談しておける機会ですよ」——そんなニュアンスだったと記憶しています。保育園には自閉症のことをすでに伝えていたので、先生も「こういう場所があるよ」と、そっと教えてくれた感じでした。

就学相談は、1回で終わるものではありません。1回2時間ほどのセッションを、数ヶ月かけて重ねていきます。私の場合は春から始めて、決定まで半年ほどかかりました。

大まかな流れはこんな感じです。

  1. 市区町村の教育委員会へ申し込み(春頃)
  2. まず保護者へのヒアリング(複数回・数ヶ月かけて進む)
  3. 子どもへの発達検査・行動観察(別日)
  4. 教育委員会から就学先の「意見」(秋頃)
  5. 保護者が最終的な就学先を決定

ひとつ、大事なことをお伝えします。

教育委員会から出るのは「意見」であって、「決定」ではありません。教育委員会の出す意見は、あくまで参考です。納得できなければ、話し合いを続けることができます。最終的に決めるのは、保護者であるあなたです。

私はこれを知らなくて、「教育委員会に決められてしまうもの」だと思っていました。でも違います。意見を参考にしながら、自分で選んでいいんです。

早めに動き始めるほど、焦らずに選択できます。年長になったら、まず保育園や幼稚園の先生に「就学相談のことを聞いてみていいですか?」と声をかけてみてください。

※時期は自治体によって異なります。お住まいの市区町村の教育委員会にご確認ください。

就学相談では実際に何をするのか

最初のセッションは、保護者へのヒアリングから始まりました。子どもの家での様子、保育園での支援の状況、小学校への希望と不安——それを専門の心理士さんと一緒に整理していきます。

子どもへの直接の課題(積み木・絵合わせ・記憶の課題など)は、別の日に行われました。

事前に「答えを用意しなければ」と緊張していましたが、「今どんな状況か」を正直に話せばいい場でした。

選択肢の全体像を整理する

就学相談を前に、まず「選択肢が何種類あるか」を知っておくと気持ちが楽になります。

普通級とは

地域の小学校の、通常の学級です。発達障害のある子も在籍できますが、支援の手厚さは学校・担任・地域によって大きく異なります。

通級(通級指導教室)を併用するケースもあります。週に数時間、別の教室で個別の指導を受けながら、基本は普通級で過ごします。

支援学級とは

地域の小学校の中に設置された、少人数の学級です。

支援学級には大きく2種類あります。

  • 知的障害特別支援学級:知的障害のある子が対象
  • 自閉症・情緒障害特別支援学級:自閉症や情緒障害のある子が対象

息子は自閉症の診断があったので、後者が対象でした。

ひとつ、私が見学するまで知らなかったことがあります。この2種類は、同じ「支援学級」という名前でも、全く別のクラスだということです。

「支援学級を見学したい」と申し込む前に、「どちらのクラスを見学するのか」を確認しておくと、より実態に近い見学ができます。

また、支援学級に在籍していても、卒業資格は通常の小学校卒業と同じです。「支援学級に入ると学歴が変わる」と思っていた私の誤解でした。

特別支援学校とは

地域の小学校とは別の、専門の学校です。

「特別支援学校に通う」ということは、地域の小学校ではなく、別の学校に毎日通うことを意味します。

支援学級との最も大きな違いは、「地域の学校の中にいるか、別の学校に通うか」という点です。

私が見学して感じたこと

特別支援学校を見て、偏見が崩れた話

正直に言います。見学前の私は、特別支援学校に対して偏見がありました。

「障害が重い子が行くところ」——そういうイメージがあったんです。今思えば、何も知らないまま怖がっていただけでした。

見学に行って、そのイメージは崩れました。

感覚遊びのコーナー、丁寧に作られた教材、先生と子どもたちの穏やかな時間。想像していたものとは、全然違いました。

「ここも、息子が過ごせる場所かもしれない」と思えた見学でした。

支援学級を見て、初めて知ったこと

支援学級の見学では、「2種類のクラスがある」という事実を初めて知りました。

それまで「支援学級」という一つのカテゴリだと思っていた私には、衝撃でした。知的クラスと情緒・自閉症クラスでは、在籍している子どもたちの様子も、授業の進め方もまるで違います。

息子が対象になるクラスを正確に見学できてよかった、と思いました。

「翌年度の保証はない」——見学で気づかなかった盲点

見学の時、担任の先生の関わり方に安心したことを覚えています。

「この先生なら大丈夫だ」と思いました。

でも今振り返ると、見学当時は気づいていなかったことがあります。

先生の配置は、毎年度変わります。

見学した時の先生が、翌年度も同じクラスを担当するとは限りません。加配の体制も、年度ごとに変わることがあります。

「見学して安心した」は、「その年度はこうだった」という情報に過ぎないんです。

後から思えば、見学の際にこんな質問をしておけばよかったと思います。

  • 「来年度も同じ先生が担当されますか?」
  • 「加配教員の体制は毎年度どのように決まりますか?」
  • 「通常学級との交流授業はどのくらいありますか?」

就学相談で見学に行く方には、ぜひ参考にしてみてください。

決定後に息子が急成長した——「普通級でよかったのでは?」という気持ち

支援学級を選びました。

当時の息子の状況では、オムツがまだ外れていませんでした。普通級という選択肢は、当時の状況では難しかったと今でも思っています。

就学先が決まったのは、年長の秋でした。

そしてその後、息子が急に変わり始めたんです。

年長10月——保育園のトイレに初めて成功しました。そこから少しずつ、周囲の子と同じように遊べる場面が増えていきました。

それを見ながら、ふと思いました。

「普通級でよかったのでは?」

その気持ちは、正直、今でもゼロではありません。でも同時に分かることもあります。

息子が成長できたのは、年長の一年間に先生方が積み上げてくれたものがあったから。保育園での関わりが土台になっていたから。その成長があったからこそ、「普通級でよかったのでは?」と思えたのかもしれない。

「普通級でよかったのでは?」という気持ちは、息子が成長した証でもありました。それは誇っていいことだったんです、きっと。

このとき初めて、子どもの成長はわからないと思った

就学先を選んだあの時期、私が一番恐れていたのは「間違えること」でした。

どちらが正解か分からない。どちらを選んでも後悔するかもしれない。そのプレッシャーが、ずっとそこにありました。

でも就学先が決まり、息子が成長していくのを見て、初めて気づいたことがあります。

子どもの成長は、わからない。

あの時点で「1年後にこうなる」なんて、誰にも予測できなかった。特別支援学校の先生にも、教育委員会の人にも、保育園の担任にも、私にも。

そして——わからないからこそ、今の最善を選ぶしかない。それでいいんです。

あの時の私が選んだのは、その時点での「最善」でした。

就学相談、後から気づいたこと——同じ悩みの親へ

就学相談を経験した今、当時の自分に伝えたいことをまとめます。

見学の際に聞いておくといいこと

  • 翌年度の担任・加配の体制はどのように決まるか
  • 通常学級との交流授業(交流学習)はどのくらいあるか
  • 子どもの様子を定期的に保護者に伝えてもらえる機会はあるか

知っておくとよかったこと

教育委員会の意見は参考であって、決定ではありません。最終的に決めるのは保護者です。

見学はあくまで「その年度」の体制。翌年度は変わる可能性があります。

支援学級には「知的クラス」と「情緒・自閉症クラス」の2種類があります。見学前に確認を。

転籍という選択肢について

支援学級から普通級へ、あるいはその逆も、年度ごとに変更できる制度があります。実際に息子も、小学校入学後に転籍を経験しています(この話は次の記事で書きます)。

転籍はできる、でも自動的にできるわけではありません。担任の先生や特別支援コーディネーターの先生と相談しながら進めるものです。「最初の選択が全て」ではないと知っておくだけで、少し楽になれると思います。

まず、お住まいの市区町村の教育委員会か、保育園・幼稚園の先生に「就学相談について聞きたい」と伝えてみてください。それだけでいい。

あの頃の私のように、夜中に検索しながら不安を抱えているあなたに、伝えたいのはそのことだけです。


就学先が決まると、次に気になってくるのが学習面のサポートです。支援学級では個々のペースに合わせた授業が受けられますが、家での学習をどう支えるかは、また別の悩みとして出てきます。

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