年に一度の健康診断。その結果の紙が、今年も届きました。
封を開けて、まず目が行くのは赤い字です。「H」と「L」。基準より高い、低い。去年はほとんど気にならなかった印が、今年はいくつかついていました。腹囲、血糖のところ。総合判定の欄には「来年の健診でよい」という区分。大きな病気の影はない、と書いてあります。
大きな病気ではない。それでも、印のついた数値の意味を調べて、「危険」「放置すると」という言葉ばかりが目に入り、気持ちが重くなった——そんな経験のある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
今年の健診は「来年でいい」だった。でも、去年の紙と並べたら見えたもの
私は、今年の紙を、去年の結果と隣に並べてみることにしました。
一枚だけで見ると、赤い字は「今の私のだめなところ」に見えます。でも二枚を並べると、見え方が変わりました。数字が「点」ではなく「線」になったのです。どの項目が、去年からどっちへ動いたのか。上がったのか、下がったのか。その向きが見えてきました。
そうして眺めると、私の紙の中で二本の流れが動いていることに気づきました。一本は、ゆっくり上っていく流れ。もう一本は、静かに下っていく流れ。慌てる紙ではないけれど、たしかに動いている——そんな一年だったのだと、初めて自分でわかりました。
上り坂の流れ——腹囲が、初めて基準を越えた
上っていた流れの中心にあったのは、腹囲でした。去年までは基準の内側にいたのが、今年は初めて、外側へ出ていました。ほんの少し。でも、境界線をまたいだのは初めてです。
体重も同じ向きに動いていました。そして、血糖の指標であるHbA1cは、今年も去年と同じ側に立っていました。大きく上がったわけではありません。ただ、上がってもいないけれど、降りてもいない。二年続けて同じ場所にいる——それは「点」ではなく「流れ」なのだと、並べてみて初めて腑に落ちました。血圧も、まだ基準の内側ではあるものの、平均すると一段上に来ていました。
調べていくと、お腹まわりの脂肪と、血圧や血糖は、ばらばらの数値ではなく関係し合っているとされているようでした。一本の道の、入口と途中のようなもの。だとすれば、私の紙で上っていた三つは、別々の心配ごとではなく、つながった一つの流れだったのかもしれません。
お腹まわりの話は、じつは今年の検査のときにも言われていました。胃の検査を受けたとき、姿勢や腹圧のことを指摘されたのです。そのときのことは、こちらの記事に書いています。検査で言われた「姿勢」と、あとから届いた結果の「腹囲」。どちらも同じ、お腹まわりのことでした。
下り坂の流れ——血色素が、基準を少し割った
もう一本、下っていく流れもありました。血色素の値が、今年は基準をわずかに下回っていました。いわゆる貧血の傾向です。
貧血のことは、私にとって初めてではありませんでした。月経の量と鉄の不足の関係については、前に一度きちんと調べて、記事にしたことがあります。私の場合は、婦人科で子宮筋腫や腺筋症とも付き合っているので、そのあたりも関係するとされる要因の一つなのかもしれない、と思っています。ただ、これは私が自分で決めつけていいことではなく、次の受診のときに主治医に聞いてみるつもりでいます。
「いつも疲れている」「なんだかだるい」を、私はずっと気のせいだと思っていました。でも数値がそっと教えてくれることも、あるのかもしれません。同じように、心のしんどさと鉄の関係については別の記事にも書きました。
責める数値じゃなかった——基準の内側にあったもの
ここまで書くと、私の紙は赤い字ばかりのように聞こえるかもしれません。でも、並べて気づいたのは、そうではないということでした。
コレステロールや中性脂肪といった脂質は、すべて基準の内側で、しかも去年より良い方へ動いていました。空腹時の血糖も、基準の内側で改善していました。肝臓も、腎臓も、そのほかの検査も、大きな指摘はありませんでした。
赤い字だけを見ていたときには、まったく目に入っていなかった数字たちです。基準の内側にある数字のほうが、ずっと多かった。赤い字の数ばかり数えていたけれど、それだけの紙ではなかったんだ、と思えました。
変えるところは、一つでよかった
二本の流れと、基準の内側にある数値。全部を並べてみて、あることに気づきました。上っていた三つ——腹囲、血圧、血糖——は、どうやら同じ入口を持っている。だとしたら、変えるところも、たくさんはいらないのかもしれない、と。
お腹まわりを、去年の場所まで戻す。ただそれだけのことが、血圧にも、血糖にも、そして検査で言われた腹圧のことにも、関係してくるかもしれない。全部を一度に頑張らなくていい。変えるところは、一つでよさそうでした。
そう思えたのは、たぶん、「減らさなきゃ」ではなく「どうしたいか」から考えられたからだと思います。私がやりたいのは、体重計の数字を追いかけることではなくて——。
「最後まで、体は動くように」
少し前に、私自身が口にした言葉があります。
「最後まで、体が動くように、筋肉をつけていきたい」。
歳を重ねても、自分の足で行きたいところへ行けて、やりたいことができる。そのために、体重を減らすことばかり考えるより、これから動くための筋肉をつけていく。お腹まわりを戻すというのは、私にとっては「何かを我慢する」話ではなく、「これから動ける体をつくっていく」話なのだと、この紙を眺めているうちに思えてきました。
婦人科のことも含めて、私が歩いてきた道のりはこちらにまとめています。
数値は、自分を責めるためではなく、これからをどうするか考えるためにあるのかもしれません。来年届く一枚も、そんなふうに受け取れたらと思っています。
去年の結果が手元にある方は、よかったら今年の一枚と並べてみてください。赤い字の数ではなく、去年からどっちへ動いたか。その向きが見えると、少しだけ、慌てずにいられるかもしれません。
この記事は、私自身の経験と、一般的に言われていることの共有です。診断や治療に代わるものではありません。検査結果の判断や、気になる症状があるときは、医療機関にご相談ください。数値の最終的な読み方は、実際に診てくださる主治医に確認していただくのがいちばんです。
健診結果の“読み方”そのものを、もう少し詳しくまとめた記事も別に書きました。
この記事について:この記事は、運営者(万樹)自身の受診や治療の体験と、自分なりに調べた内容をもとに書いています。専門家が内容を保証しているわけではありません。症状や治療のご判断は、体質や状況によって一人ひとり違います。気になることは、必ず主治医や専門医にご相談ください。


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