夜のゲームを、朝に引っ越した——寝つきの悪い息子が、自分で早起きするようになった話

夕方から夜にかけて、ゲームや動画をなかなかやめられない。そして朝は起きない。

息子は、赤ちゃんの頃から寝つきがよくありませんでした。眠りも浅いほうで、夜になってもすとんとは眠れない。朝は、機嫌のいい日もそうでない日もありましたが、それでも起きてはくる子でした。

私は平日フルタイムで働いています。朝ごはんの時間と、寝る時間は、ずっと動かさずにきました。起きる時間そのものは決めていません。朝ごはんに間に合うように起きればいい——それだけにしていました。

その決めごとと、夜に張りついて離れないゲームとの間で、しばらく途方に暮れていた頃の話です。

上限を決めても、時間は夜に集まっていた

はじめは、スクリーンタイムで1日に使っていい時間の上限を決めていました。

でも、日中は学校や放課後等デイサービスがあって、そもそもゲームや動画には手が届きません。だから使える時間は、どうしても夕方から夜に集まってきます。就寝時刻は決めていましたが、その限られた時間を夜に使い切る形は、なかなか変わりませんでした。

以前、スマホの使いすぎで一度大きくつまずいたこともあって(約束の4日間——スマホが止まった朝)、時間との付き合い方はずっと私の悩みの中心にありました。ゲームやスマホとの付き合い方については、発達障害の子どもとスマホのほうに、私が考えてきたことをまとめています。ここでは、その先で見つけた別の入り口の話をさせてください。

「朝にやる分は、数えないことにした」

ある時、上限の数え方を少し変えてみました。

1日の上限は、上限のまま。ただ、起きてから朝ごはんまでの間にやる分は、その上限に含めないことにしたのです。朝だけ、別枠にした、という感じでしょうか。

理屈はとても単純でした。夜ふかしして時間を削り合うより、早く寝て、翌朝早起きしてやればいい。朝の分は数えないのだから、そのぶん自由に触れる。それだけのことでした。

そうしたら、自分から起きるようになった

しばらくすると、息子のほうが変わってきました。

夜に粘って時間を使い切るより、「早く寝て、朝にやる」——それを、息子自身が選ぶようになったのです。朝ごはんにぎりぎり間に合わせていた子が、自分から、少し早く起きてくる。

朝に少しだけ余裕が生まれました。機嫌の波は相変わらずありましたが、それでも起きてはくる。バタバタと家を出るしかなかった朝に、ほんの少しだけ隙間ができた気がしました。

ただ、魔法ではなかった

正直に書いておきたいことがあります。これは、ずっと効き続ける魔法ではありませんでした。

新しいものが来るたびに、また立ち上がるのです。小4の冬にSwitchが来て、小5の夏にMacBookが来て、小6の5月にはSwitch2が来ました(ゲームとの約束のことは中学に上がる前に、Switchのことで話したことにも書きました)。そのたびに盛り上がって、そして飽きてくると、だんだんまた起きなくなる。その繰り返しでした。

でも、その波そのものは、責めないことにしました。飽きるのも、また熱中するのも、この子のリズムなのだと思うようにしています。うまくいっている時期を「普通」にして、そうでない時期を失敗のように扱うと、たぶん私のほうが持たなくなる。だから、波があるものとして眺めています。

同じ話をした人の子にも、合ったらしい

以前、同じような悩み——夕方から夜、だらだらとゲームが続いて朝起きられない——を抱えた知り合いに、この話をしたことがあります。あとで聞いたら、その子も朝に起きて余裕ができたと言っていました。

ただ、それでも私は「合う子もいる」という言い方しかできません。

眠りのかたちは、子どもによって本当に違います。早く起こすことが、どの子にとってもいいこととは限りません。朝が動かせない子もいます。それは、その子の眠りのリズムなのだと思います。うちの子には、たまたま、夜を我慢させるより朝に楽しみを置くほうが合っていた。それだけの話です。

おわりに

夜を削るのではなく、朝に楽しみを移す。振り返ってみると、私がしたのはそれくらいのことでした。

そういえば息子は、「見通しがあると動ける」ところのある子です。朝にちゃんと楽しみが待っている、とわかっていると、体が動く。今回のことも、どこかでその横顔とつながっている気がしています。

正しいやり方かどうかは、わかりません。ただ、うちにはこれが効きました。同じ夜に途方に暮れている誰かの、片隅の参考になればと思って、書き残しておきます。


この記事について:この記事は、運営者(万樹)が発達障害のある子どもを育てるなかでの実体験と、自分なりに調べた内容をもとに書いています。制度の運用や支援の要否には地域差・個人差があります。具体的なご判断は、お住まいの自治体の窓口や専門機関にご確認ください。

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