「支援学級だと、進路は狭まる」と思っていた——面談で聞いた、あるお子さんの話

中学が近づいてきた頃、私の頭の中には、一つの思い込みがありました。「支援学級のままだと内申がつかない。だから、この子の進路は狭まってしまう」——。今日は、その思い込みが、ある面談で少しだけほどけた日の話を、書き留めておきたいと思います。

「支援学級だと、進路は狭まる」と思い込んでいた

息子は、支援学級に在籍しています。中学進学が近づくにつれて、私の中では「支援級だと内申がつかない、だから高校の選択肢が狭まる」という不安が、どんどん膨らんでいきました。

支援級でなぜ内申がつきにくいのか、その仕組みは、以前に調べました。交流授業や転籍で評定がつくこと、「つかない」ではなく「設計次第」だということも、中学校で確認してきました。

それでも、頭で分かることと、心が納得することは、別でした。「本当に、この子の進路は大丈夫なのだろうか」。その不安だけは、なかなか消えてくれませんでした。

更新面談で、相談員さんが話してくれた「あるお子さんの話」

その不安が少しほどけたのは、通所受給者証の更新面談でのことでした。

家での心配ごとを正直に話していたとき、相談支援員さんが、以前担当していたあるお子さんの話をしてくださいました。

そのお子さんは、支援学級に籍を置いたまま、受けられる授業だけを交流で受けて、そこで成績をつけてもらっていた。そうして、全日制の高校に進学したのだ、と。

「こういう形もあるんですよ」。相談員さんは、さらりとそう言いました。

制度としてどうか、という説明ではなく、実際にその道を歩いた子がいる——その事実に、私はふっと力が抜けました。仕組みは知っていたはずなのに、「本当に歩けた子がいる」と聞くだけで、こんなに安心するものなのかと、自分でも少し驚きました。

でも、「どの学校でも」ではなかった

ただ、相談員さんは同じ口で、こうも言いました。「学校によりますけどね」と。

これは、小学校で聞いた話ですが——校長先生や教頭先生に「基礎学力が十分でないのに交流授業に出るのは」という考えがあって、交流に慎重な学校もあるのだそうです。反対に、どんどん交流に出していきましょう、という学校もある。

子どもがついていけずに苦しまないように、と考える先生もいれば、まず出てみることで得られるものがある、と考える先生もいる。学校によって、こんなにも考えが違うのか。色々な考えがあるのだな、と、そのとき私は思いました。

だとすると、「支援級のまま交流で成績をつける」という形も、待っていれば自動的に用意されるものではなくて、通う学校がそれをどう考えるか次第なのでしょう。そこは、入ってみて、相談していくしかないのだと思います。

「交流で内申がつく」=公立高校に行ける、ではない

もう一つ、ぬか喜びをしないように、自分に言い聞かせたことがあります。

交流授業で評定がついたとしても、それだけで公立高校の内申ラインに届くかは、また別の話です。中学校を見学したときにも、「交流授業だけで公立受験の内申をそろえるのは、正直難しい」と言われました

相談員さんが話してくれたお子さんが、公立だったのか私立だったのか、どんな条件でその高校にたどり着いたのかまでは、私は知りません。その子にはその子の事情があり、その学校にはその学校の運用があったはずです。あの実例は、私にとって「希望」ではあっても、「保証」ではない。そう線を引いておくことにしました。

思い込みはほどけた。でも、答えは学校と一緒に探す

あの面談で私が受け取ったのは、「支援級だから詰む、というわけではない」という、たった一つのことでした。でも、そのたった一つで、私は少しだけ前を向けたのです。

同時に、「どの学校でも大丈夫」というわけでもない、と知れたことも、大きかったと思います。過度な期待も、過度な諦めも、どちらも手放して、通う学校と相談しながら、この子に合う形を探していく。今は、そんな心づもりでいます。

進路の全体を、これまでどう考えてきたのかは、別のところで整理しました。

おわりに

支援級だから、と進路を諦めかけていた少し前の自分に、あの実例を一つ、渡してあげたい気持ちです。

「色々な考えの学校があるよ。積極的な学校も、慎重な学校もある。だから、決めつけないで、まず聞いてみて」。

答えはきっと、一つではないのだから。


この記事について:この記事は、運営者(万樹)が発達障害のある子どもを育てるなかでの実体験と、自分なりに調べた内容をもとに書いています。制度の運用や支援の要否には地域差・個人差があります。具体的なご判断は、お住まいの自治体の窓口や専門機関にご確認ください。

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