数値化しても、伝わらなかった——発達障害の息子の体重管理、それでも動き続けた記録

「このまま行ったら、糖尿病まっしぐらですよ」

息子が小学3年生のとき、小児科の先生に言われた言葉です。大げさに脅すような先生ではありません。だからこそ、その一言は重く響きました。

息子は今、小学6年生。身長163cm、体重68kg。身長がようやく体重に追いついてきて、本人も自分の体型を気にし始めています。

ここまでの数年間は、正直に言えば「うまくいった話」ではありません。数値を揃えても伝わらない人には伝わらなかったし、始めた運動はことごとく続きませんでした。それでも、いくつかの力が重なって、今があります。

お子さんの体重のことで一人で悩んでいる方に、我が家の記録をお話しします。

放デイの代わりに始めた、水泳とサッカー

息子が小学2年生の頃、利用していた放課後等デイサービスが方針を変えることになりました。特別支援学校に通うお子さんや、知的障害のあるお子さんへの支援に注力していくという方向で、息子はそれまでのようには通えなくなったのです。

代わりの居場所を探しました。スポーツ療育をしている放デイも調べました。それと並行して、体を動かす習慣がつけば生活のリズムも整うかもしれないと、水泳とサッカーを習わせることにしました。

(放課後等デイサービスの事情については、こちらの記事にまとめています)

小3、体重が一気に増えた

息子の体重が目に見えて増えたのは、小学3年生の頃でした。

当時、仕事の都合で、日中の息子の食事を同居していた私の父に頼っていた時期がありました。あとから分かったのですが、その間の食事は糖質に偏り、喉が渇けばジュース。水分補給がほぼジュースという生活が続いていました。

気づいたときには、息子の体はずいぶん大きくなっていました。

誰かを責めたいわけではありません。ただ、「食事を任せること」と「食事の中身まで共有できていること」は、別なのだと思い知らされました。

(同居の祖父母との関わりについては、こちらの記事に書いています)

「数値で見たい」——体重管理の通院を始めた

息子は当時、精神面のことで小児科に通院していました。その先生に、思い切って体重のことを相談しました。

私がお願いしたのは、「数値で管理したい」ということでした。家庭の感覚だけでは、増えた・減ったの判断がぶれてしまう。第三者の目と、客観的な数字がほしかったのです。

こうして、体重管理のための通院が始まりました。

その通院の中で言われたのが、冒頭の言葉です。

「このまま行ったら、糖尿病まっしぐらですよ」

ショックでした。でも不思議と、「やっぱり」という気持ちもありました。数字は、私の不安が気のせいではなかったことを教えてくれました。

数値を見せても、伝わらなかった

通院で得た数値を、私は父にも見せました。一緒に暮らしている以上、食生活を変えるには協力が必要だったからです。

返ってきたのは、「母親のせいだ」という言葉でした。

数字を揃えれば伝わると思っていました。でも、伝わらない人には、何を見せても伝わらないのだと知りました。

(このあたりの詳しい経緯は、祖父母との同居について書いた記事にあります)

それでも、止まるわけにはいきませんでした。協力が得られないなら、得られないなりに、できることをするしかありません。

習い事も放デイも、続かなかった

運動の柱にするつもりだった水泳とサッカーは、結局、長くは続きませんでした。探していたスポーツ療育の放デイも、息子の居場所として定着することはありませんでした。

理由は一つではありません。集団での指示が入りにくいこと。興味が長続きしないこと。一度「行きたくない」が始まると、立て直しが難しいこと。発達障害のあるお子さんの習い事で、同じような経験をされた方もいるのではないでしょうか。

「運動させればいい」と頭では分かっていても、その「させる」がいちばん難しい——当時の私は、そんな袋小路にいました。

転機は、支援学級だった

変化のきっかけは、思いがけないところから来ました。支援学級への転籍です。

転籍後の担任の先生は、給食の好き嫌いに根気強く付き合ってくれて、体を動かす習慣づくりにも取り組んでくれました。家庭で「食べてみたら」と言っても動かなかった息子が、学校という場では少しずつ変わっていきました。

親だけで抱え込んでいた「食事」と「運動」に、学校という伴走者がついてくれた。あの転籍は、勉強や居場所のことだけでなく、体のことにとっても転機だったのだと、振り返って思います。

(転籍の経緯はこちらの記事に書いています)

小5の冬、アデノイドとアレルギーが分かった

小学5年生の2月、息子にアデノイド(鼻の奥にあるリンパ組織)の肥大と、ダニ・ハウスダストのアレルギーがあることが分かりました。今は舌下免疫療法という治療を続けています。

体重のことと直接つながるのかは、私には分かりません。ただ、「なんとなく調子が悪い」の正体が一つずつ明らかになっていくことは、息子の体全体を整えていくうえで、確かな前進でした。

小6の今——身長が体重に追いついてきた

息子は今、身長163cm・体重68kg。成長期に入り、身長が少しずつ体重に追いついてきました。まだ追い越したわけではありません。それでも、体のバランスは確実に変わってきています。

そして最近、本人が自分の体型を気にし始めたように見えます。思春期に入り、まわりの目——とくに同年代の女の子の目が、気になり始めたのかもしれません。

本人が「気になる」と思うこと。それは、私がどれだけ数値を並べても作れなかった、いちばん強い動機なのかもしれません。

体重管理の通院は、今も続けています。

まとめ——一つの力では動かなかった。でも、重なれば動いた

振り返ってみると、息子の体は、何か一つの「正解」で変わったわけではありませんでした。

  • 数値で見守ってくれる医療
  • 給食と運動習慣に付き合ってくれた学校
  • 一つずつ分かってきた体の事情(アレルギー・アデノイド)
  • 成長期という時間
  • そして、本人自身の「気になる」という気持ち

どれか一つだけでは、たぶん動きませんでした。協力してくれない家族がいても、続かなかった習い事があっても、重なった力は少しずつ、息子の体を変えていきました。

もし今、お子さんの体重のことで一人で悩んでいる方がいたら。全部を一人で背負わなくても、頼れる先は少しずつ増やしていけるかもしれません。私の場合、その最初の一歩は「いつもの小児科で相談してみる」ことでした。

あなたの悩みは、あなただけのものではありません。

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